最後の日常
その日は眩しいくらいに晴れた9月も下旬の日だった。
今年最後のBBQをしようと私の家の庭先で幼なじみ3人の家族も交えて大人数でBBQをしていた。加奈子の弟の浩平くん(小2)と勇輝の妹、結奈ちゃん(小2)が言い合いつつも楽しげに話をしている場面に高3勢はだらしなく口元を緩ませ破顔する。
「あ〜浩平くんも結奈ちゃんもかわいい〜」
「なー羨ましいよな。俺と澪は1人っ子だし。」
「何いってんの、結構大変なのよ?」
「そうそう、どんどんませてくるしな。」
「とかいいながら、2人ともニヤニヤしてるじゃん!あーうらやましい〜!」
なんて、いつも通りのなんでもない会話。
いつも通りの幸せな日常。
「あら、楽しそうねぇ。」
「あ!吉野おばあちゃん!今バーベキュー納めしてるんだ!」
「そうなの、いいわねぇ。」
「おばあちゃんもやる?」
「ううん、大丈夫よ。これからお茶会だからね」
「そうなんだ!綺麗なお着物着てるもんね!いってらっしゃい!」
「はい、いってきます。」
大きく手を振ると小さく振り返してくれる吉野おばあちゃん。
吉野おばあちゃんは私の理想の女性だ。年をとっても可愛くて、優しくて大好きなおばあちゃん。
「ばあちゃん来ないの?」
「うん、お茶会があるんだってー。残念だけど、着物姿見られたから諦める。」
「澪は本当ばあちゃん好きな。」
「そういう一樹は澪が大好きだもんなー(笑)」
「っは!?な、なんでそんな話になんだよ!?」
「見ててヤキモキすんだよ、早くくっついちまえ!」
「それを言うならお前もだろうが!早く加奈子に告れよ!」
「っ、大声で言うなよバーカ!」
「バカって言う方がバカだろ!アホ!」
浩平くんと結奈ちゃんも呆れるくらいの低レベルな言い合いを始める一樹と勇輝。そんな2人がおかしくて、でも大好きで加奈子と2人でこっそり笑った。