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即興会話劇シリーズ

即興会話劇Ⅱ

作者: 日向陽夏

「生きてここから出たい?」

「……俺は、誰だ。ここは……一体」

「初めまして」

「!? うおっ、びっくしたぁ。誰だ、お前」

「ご挨拶ね。私はずっとここにいた。それに私は、お前って名前じゃない」

「じゃなんて名前なんだよ」

「秘密」

「……ヒミツさん、ね。で、この状況についての説明とかって、してくれんの? てかこの手錠外してくれ」

「それは無理。鎖も、手錠も、外せない。猿轡をしていないだけ、マシでしょ?」

「つーか、身体が怠い。頭もぼやっとするし、記憶もない。で、ヒミツさん、俺に何をした? それにこの甘ったるいアロマみたいな匂い。これは、麻薬……か? どう見てもこの状況は監禁だし、何が狙いなんだ?」

「82回。bパターン。……あなたは本当に単細胞ね。2パターンしか反応がない」

「な、何を、言って……」

「はぁ。またその反応。あなたはいつもそう」

「いつも? お前は、何を……」

「さて、今からあなたを殺します。このナイフが見えますか?」

「わ、わ、わ、やめろ。ナイフを近づけるな!」

「殺します、あなたを殺します。内臓を見せてあげます」

「や、やめろ! やめろ、サヤ!」

「思い出した? 私の名前。危機的状況で記憶を取り戻したのね、兄さん。相変わらずワンパターン」

「こんな馬鹿なことはやめるんだ。俺がお前を好きになることはない!」

「ふふ、"まだ"145回めよ。さあ、この薬を飲みなさい。あなたはとても穏やかな気持ちです。あなたは眠ります。あなたは自分が誰だか分かりません。私はあなたにとって知らない人です。あなたは危機的状況から犯人、つまり私に好意を持ちます。では、146回めのファーストコンタクトを始めます。この催眠は私の望む結果が出るまで、永遠に続きます」

「ん、あ、ああ……あ、れ? ここは、一体」

「生きてここから出たい?」

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