-願いの幸鏡獣と人魚の貴石-
はい、如何も今日は。更新が遅れていて済みません、最近もう一つの話の方をガーって進めていたので此方が疎かになっていました。・・・決してゲームやゲーム実況動画や漫画や小説を読むのに人生を捧げていたとか、然う言うのではありませんから。
兎にも角にも今回は少々特殊な話になります。今回出て来るのは人魚とカーバンクル。人魚は言わずもがな何方もまま有名ではないのでしょうか?
人魚は人の足が魚になった奴ですね。(雑な説明だ)大抵髪の長い美人さんだったりするけれども、ジュゴンがモデルと言われている所を見ると色皓であの優しそうな瞳、ちょっと微笑んでいる様な口が愛らしく映ったのかも知れませんね。
因みに筆者は人魚と魚人と半魚人を一応区別する様にしています。何時か出せたら良いけれどもな・・・如何かな。
カーバンクルは余姿が載った物がないのですが、大まかに言えば頭に鏡ないし大きな宝石を付けた獣で、其を取ると幸せになれると言われています。大抵は何処ぞの島の奥深くの蕭森に居ると言われていますけれど、其の肝心の姿が伝えられていない、冒険心の疼く子です。最近色々なゲームで可愛く登場しているので筆者も何だかほっこりするんですよね、あの子見てると。
さてそんな二匹、如何です?今迄と違って少しメルヘンな、幸せそうな空気がしませんか?
ではどうぞ、其の手を伸ばして。掴んだ鏡に映る貴方はどんな顔をしていますか?
昔、鮫珠の様に純皓な砂丘が何処迄も続いている所がありました
其処には蒼玉の様に蒼き湖がありました
人々は其を瀛海と呼び、永らく親しんで来ました
瀛海は刻一刻と己の色を紺碧玉や石榴石へ変え、其処にありました
人々は思いました
あんな美しき色を纏う浪華に思いを馳せば、屹度霄の金剛石や水精に届けてくれるだろうと
だから願いを持った人々は瀛海へ行きました
そして其の瀛海には一人の人魚がいました
人魚は願いを貴石にする事が出来ました
其を集めるのが人魚の趣味なのです
ムーンストーン、アイヤナイト、ネフライト、ペリドット、スギライト、ジルコン、シトリン、アンダルサイト、クリソプレーズ、スモーキークォーツ・・・
種々様々な貴石を人魚は持っていました
其の中に一つ、取り分け大きな貴石がありました
アイオライトです
其は人魚の大切な、唯一此の瀛海に住んでいたもう一人の人魚の物でした
其の人魚は病か寿命か、人魚の手の中で息を引き取りました
其の時に呟いた願い、其があの貴石なのです
でも人魚は其の願いを知りません
だから人魚は、静かに独りで人々の願いを聴くのでした
あの願いが分かる迄
聴くのでした
・・・・・
人魚が詠を諷っていると、ヘマタイト色の瞳を有した一人の少女が泣き乍らやって来ました
如何したのか、と人魚は尋ねました
母が病気だから、早く治って欲しいのだ、と少女は言いました
コーラルが人魚の手に納まりました
次に少女が聞きました
一人でいて、寂しくないのか、と
色んな人が来てくれるから、と人魚は答えました
・・・・・
人魚がロードクロサイト色の旻を見ていると、一人の青年が憂えを湛え、やって来た
願いを言ってみて、と人魚は言いました
彼女が余りにも不憫だから、不自由のない暮らしをさせたいのだ、と青年は応えました
ラリマーが人魚の手の甲に現れました
如何して願いを聴くのかと青年は聞きました
皆の願いが叶う事を祈っているから、と人魚は応じました
・・・・・
人魚がクンツァント色の貝殻を拾っていると、一人の老人が足取り重くやって来ました
願いを言って、少しは楽になるかも知れないから、と人魚は言いました
亡き妻が天国で安らかになれば、と老人は言いました
ラピスラズリが人魚の手元に転がり込んで来ました
貴方に願いはないのか、と老人は言いました
分からない、と人魚は答えました
・・・・・
ある日、人魚は積もりに積もった宝石を使い、幸鏡獣の像を作りました
皆の願いが叶う様に作りました
でも自分は其の中には入っていないのだろうと思い乍ら
程なくして、像は出来ました
でも幸鏡獣の頭にあるあの人魚の貴石の輝きが翳っている事に人魚は気付きました
願いの貴石は其の願いが叶わなくなると煌きを失い、唯の石となってしまいます
人魚は其処にもう一つ、貴石を付けようと思いました
人魚は考えました
もう貴石はありません
自分の願いを紡ごうと人魚は思いました
でも人魚の願いは何でしょうか
考えていると、又あの人魚の貴石、アイオライトが目に入りました
すると何故かタンザナイトの様な涙が一雫落ちました
次に人魚はあの人魚の遺品を出しました
又涙が出ました
でも止められません
色々な物を人魚は出しました
そして、やっと浮かんだ一つの願いを呟く様に言いました
其は廻瀾に掻き消され乍らも、澄んだ声でした
・・・・・
翌日、人々が瀛海へ行くと、一つの立派な、其は美しい幸鏡獣の像がありました
人々は其の像に祈りを捧げました
其の日から、人魚を見た人はいません
そして、あの願いを聴いた者もいません
でも幸鏡獣の頭にはアイオライトとアレクサンドライトが絶える事無く、煌き続けていました
-Fin-
御疲れ様です。如何だったでしょうか?だって今回はハッピーエンドですよ?考えられません。趣味じゃないです。でも書いてしまった、仕方ない。
まぁでも良しにしましょう。好きな宝石一杯出したし、宝石言葉とかって何だかワクワクするんですよね。中2心が疼きます。パワーストーンとかもっと集めてみたいな・・・宇宙ガラスとかとか。
只一つ心残りがあるとすればカーバンクルちゃんが動いていない事。只の像ですよ・・・まぁ舞台裏では此の子がカーバンクルの一匹になるとか色々考えているんですけれど、其処は御想像にお任せします、と言う具合になりました。うぅ・・・会いたかったよカーバンクル。
では今回は此の位で。次は何の子にしよう・・・余り考えてないな。只もうハッピー系は書かない気がします。やっぱ此の感じ苦手。ダークにズブズブ沈みましょう。良い物語を。