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飛べない飛行機が作った未来。  作者: 杏月 要
変えられた未来。
3/21

3

両親がいなくなったことは、すぐにいろんな人に知られた。

どこから情報が漏れたのかはわからない。職員室での会話を聞いたという生徒もいた。

最初はもちろん哀れみの言葉ばかりだったが、次第にそれは私にとって嫌なことになった。

同情されたくない。可愛そうなんて思われたくない。

両親がいなくなってから、私の性格は変わってしまった。ずっと、暗いままだ。

けれど、第三者はそんなことすぐ忘れてしまう。

すぐにいつも通りの私を求めるのだ。

皆の前で元気よく笑って、成績優秀の私を求める。

だけど、そんなのうまくいくはずが無い。私は両親を失ったことを立ち直れずにいるのだから。

皆は私を見て“両親が亡くなったのはわかるけど、やっぱり前のはるひちゃんのほうが良い”と口を揃えて私を見放す。

友達というのは、そんなものだったのだ。


どんどん暗くなっていく私に、友達は愛想を尽かし、結局は私の存在自体を無くしてしまった。

クラスでひとりになり、いつも外をぼーっと眺めているだけ。

何を考えているわけでもない。ただ、どこか一点を見つめるのだ。

それを見てクラスの皆はよけいに私のことを怖がった。

“何を考えているのかわからないから怖い”

そう言われてしまえば、私はどうすることも出来ない。

今更友達が欲しいなんて思っていなかった。

だったら、このまま一人でいよう。


両親がいなくても、こんな暗い性格の私を受け入れてくれる人以外は、要らない。


イコール、友達はいらない。


そんな答えにたどり着き、私は自分から1人でいたいと思うようになった。

1人で大変な時なんて、そんなにない。

主な生活は家だし、家ではちゃんと困ることなく暮らせている。

両親がいない、ということを除けばの話だが。

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