表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
飛べない飛行機が作った未来。  作者: 杏月 要
変えられた未来。
1/21

穴。

3年前に起きた、飛行機墜落事故。


そこで、私は夫婦水入らずで旅行に出かけていった両親を失った。


私が中学一年生になったばかりの頃、私の両親は4月10日が結婚記念日で、どこかへ出かけようという話が出ていた。

両親は結婚記念日だけど、娘だけを置いて出かけるのは申し訳ないと、私のことを誘ってくれたが、私は断った。

結婚記念日くらい、“親”から“夫婦”に戻って欲しかったのだ。

両親は申し訳なさそうな顔をしていたが、気にしないで楽しんできて、と言うと嬉しそうに笑って“お土産買ってくるからね”と言ってくれた。

両親は結婚する前に2人で出かけたことがあるらしい沖縄に出かけようということになった。

2泊3日で沖縄へ向かうことになり、記念日に両親は笑顔で家から出ていった。



しかし、私が両親と顔を合わせるのはそれが最後になってしまった。



両親がいない間は母方の祖母が一緒に暮らしてくれることになり、2人で時計を見ては“今頃空港に着いたかな”“そろそろ飛行機に乗る時間だね”だのと楽しく会話をしていた。

けれど、突然家に電話がかかってきたのは昼過ぎくらいのことだった。

その電話に祖母が出て、特に気にせずテレビを観ていた私は目を見張った。

ニュースで、沖縄行きの飛行機が墜落したと速報で入ってきたのだ。

もしかしてもしかするのだろうかと、心の中がざわつき始め、部屋に戻ってきた祖母の顔を見て私はすべてを察した。


両親は、飛行機墜落によって生命を絶ってしまった。


そんなことを頭では理解していても、心や体が追いつくはずがなかった。

あんなに笑顔で家を出ていった両親が、死んでいるはずない。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ