第3話 知りたくない事実
500~1000ぐらいとかなり短いですがどうぞよろしくお願いします
「転生者……だな?」
俺が、そう聞くと少女は明後日のほうを向いて
「……ソンナコトナイデシュヨ」
……分かりやすすぎんだろこの女。上ずった声で、片言で、しかも噛むという、逆に器用なことしてんな。
「そうか、んで何処の出身?」
「エット……ヒガシノシマグニデス」
まだ片言かよ。まぁ……この世界は東や西とは言わないし、仮にそう言うとしても、国がある島は主にセーラム諸国方面、方角で言うと南にあるから、異世界人ってのは確定したな。で、今までの転生者の傾向からすると……
「なるほど、日本人か」か
「!!」
少女は驚いていて俺の方を向いた。すんごい目を見開いて……ってそんなに目って開くもんなのか?
「……どうして分かったんですか?私は日本なんて一言も……」
「簡単だ、まずこの世界に方角の名前が違う。この世界は、5つの国が統治していてこの国……セント王国の場合、北をネルーラ国方面、南をセーラム諸国方面、東をエンメン国方面、西をワンダルー帝国方面、って呼んでる。その方が迷わずにそれぞれの国に行けるからな」
「……めんどくさっ」
「まあ、そう言うな。この世界ではそれが常識なんだよ」
まあ、俺も覚えるのに苦労したし、転生者なら通る道だ。
「あと、島国があるのは南のワンダルー諸国がほとんどで、東のエンメン国は砂漠地帯で水すらほぼ無いからこの時点で転生者に確定」
「……もしかして……」
「何がもしかしてかは分からんが、先月来た奴も同じ事を言ってた『東の島国から来ました』ってな」
「………………」
「それに……その制服、青陽高校だろ」
「しっ、知ってるんですか!?」
「知ってるも何もそこの生徒だったからな」
「もしかして、秋野さんですか!?」
「ん?俺ってそんなに有名だったか?」
学生時代は、野球部にはいたが補欠にも入ってなかったし、イケメンでもないし、就職先も近所の工場だし、有名になる要因が全くないんだが……。
「有名ですよ!最近のニュースでずっと取り上げられてますよ!!」
あれ?思った以上に大事になってるみたいだな?
「仕事が嫌になって行方不明になったんじゃないかって、ネットの掲示板で叩かれまくってますよ」
俺は盛大にこけた。
実はこれを書いてる時はまだ3月初旬で雪が降ってます(笑)
……ハイ、がんばって書き溜めます