2、キャラクター理論 【嫌われ者の役どころ】
今回は物語の汚れ役ともなる、嫌われ者について、その存在意義を講座いたします。
この嫌われ者という役所、小説においてはかなり重要な立ち位置にあります。
この嫌われ者をうまく描けていると、あいつが嫌い、という読者のコメントが出てきます。
そうなれば作者の勝ちなんですが、いい気分ではないよね。
なので、なぜ嫌われるかという仕組み、さらに物語にどう影響するのかをご説明します。
現実においての嫌われ者はどういった人間でしょうか?
苛めっ子だったり、高飛車だったり、空気読めなかったり、我侭だったり、様々な要素がありますね。
全ては全て、性格や行動が起因しているものだったりします。
ここで過去の講座、キャラ配置の項目を思い返してもらいますと、敵、味方、それ以外というような三者があると書きました。
嫌われ者はこの『敵』の立ち位置に該当します。
なぜなら、主人公を中心とした『味方』の障害となりうる行動を起こすことで、読者の評価を下げ、嫌われていくからです。
そしてそれは、主人公を応援する心理、すなわち感情移入をすればするほど、対照的に評価が下がるという意味でもあります。
これが嫌われ者の存在価値。
あいつが嫌い、と読者が言っているのは、それだけ感情移入をしながら小説を読み、主人公を応援しているという形の現われです。
だから、作者の勝ち。
この嫌われ者は、作者本位のご都合主義小説には必ずと言っていいほど、出てきません。
どのキャラも可愛がることしか出来ない人間には、自分の好みには該当しないキャラを生み出せないからです。
キャラに対して、作者はドSであれ。
嫌味なキャラを用意し、度々トラブルを起こさせて障害、起伏作りの震源地としてあげるのが面白い小説の作り方ともなります。
嫌われ役がいなければ、障害が築かれず物語の起伏を生むことが出来ません。
きちんと背景を敷き、係わり合いを持つ理由を形作ってやり、その上で障害として立ちふさがるように仕向ける。
やり方がエグイほど主人公側は追い込まれ、ピンチが際立つことでしょう。
つまり、嫌われ者がその役所を全うするか否かで物語は大きく左右されるわけです。
嫌われ者が読者にしっかり嫌われていないのなら、それは障害として上手く機能していない証拠。
だから、物語において嫌われ者は重要な役目を持っている。
それを理解せず、読者に嫌われるキャラを作りたくない、などと言うようであれば、成長は望めないでしょう。
面白い小説は嫌われ者が上手く描けているかどうか。
アナタの小説には、嫌われ者がいますか?
いないのであれば、要素の一つとして捕らえ、試してみてはいかがでしょうか?
そして、自分で読んだ小説に絶妙な嫌われ者がいたならば、あいつ嫌いじゃなくて、上手いキャラ作っていますね、と褒めてあげてください。
以上で、嫌われ者はおしまいです。




