1、文章作法 【自由間接話法】その2
辞書にも載ってない話法ではありますが、とはいえ、主に文章の書き方として存在を確立している話法ですので、ある程度の定義付けは可能です。
まずは話法について学ぶ必要がありますので、そちらから。
他人の言葉を伝える際の様々な様式のことを、【話法】と言います。
話法には、直接話法と間接話法が存在します。
【直接話法】
Aという人物の発言をBという人物がそのまま引用し、第三者に伝える話法。
例文
A「明日までここにいる」
B「Aは、明日までここにいる、って言ってたよ」
【間接話法】
Aという人物の発言をBという人物の視点に変えて、第三者に伝える話法。
例文
A「明日までここにいる」
B「Aは、翌日まであそこにいる、って話だよ」
これが話法というものです。
直接話法に関しては、そのまま引用すると書いてはいますが、一語一句同じという意味合いではなく、Aが言っていた内容が伝わるように「見える」という意味合いでの引用ですのでお間違いなく。
さて、ここからさらに話法を発展させます。
小説はセリフと地の文で物語を描いていくものですよね。
地の文とは、文章や語り物などで、会話以外の説明や叙述の部分をいいます。
文章表現として見るならば、直接話法は、内容が重複していてくどさを感じます。
なぜ、Aが言ったことをBがわざわざ第三者に語るのか。
Aがその場にいるなら、それはセリフとして存在させるだけで済みますので、誰かに言わせる必要はありません。
では、間接話法はというと、こちらもAの発言を伝えることに関しては適切ですが、発言にのみしか適用出来ませんといった不自由さがあります。
Aの発言のみならず、心理や感情なども視点のブレなく地の文に混ぜれたら、三人称小説のデメリットを克服出来ますよね。
そこで出てくるのが、自由間接話法です。




