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小説講座  作者:
41/59

特別講座 ☆メッセージ性☆

アレゴリーという技法があります。


これは絵画や詩、もちろん小説などにおいて、抽象を具現化する手法です。

日本語では、寓意、寓意像となるみたいです。


説明すると、寓意というのは何かに託して言いたいことを伝える、という意味合いがあります。


これを物語に組み込んだものを寓意小説、あるいは寓話と言います。



世の中に数多ある童話の類は、道徳的な教訓が含まれるものが多いように思うでしょう。


お金の大切さ、人の温かみ、命の尊さなどなど。


これら道徳的な教訓を物語に託して形にすることを寓意といい、その物語が寓話になるわけです。

児童用に優しく描かれているのが童話ですね。


童話を読んで、なんか深いなぁ、って感じたりするのは教訓が練りこまれているからです。

何かを考えさせられる。

それが童話のあるべき姿。


お金の大切さを説くのに、時給700円で一日5時間を週5回働いたらどうこうって計算を子供にしたってわからないわけです。

嫌いな人参を食べる、歯磨きをちゃんとする、片付けもする、夜更かししない、泣いてばっかりいない。


そういう嫌なことを全て無理矢理にでもやらせて、ご褒美としてお金を持たせて欲しい物を自分で買いに行かせるのです。


現実にはこれが教訓というものですが、それを物語を通して教え導いてあげられることが出来たら素晴らしいことだと思いませんか?


これが寓意、メッセージ性になります。


短編やショートショートでは、短い物語の中に伝えたいもの、魅せたいものを絞って表現しなくてはなりません。


キャラの良さ、緻密な推理要素、恋愛で生じる心の機微、終わり間際の大どんでん返し、練りこまれた世界観&設定などなど。

書きたいものはたくさんあるでしょう。


それを短い話に組み込めるか、っていうとなかなか難しいですよね。


だからこそ書きたいものを絞った上で、インパクト及び読後感の良さというものに変えていかねばなりません。


泣かせればインパクトあります。

笑わせてもインパクトあります。


でも、それより何より、読んだ後に何かを考えさせられるお話のほうがよりインパクトがあって、心に残りませんか?


もちろん、長編でもこれを組み込んだほうがいいに決まっています。


ですが、読み疲れて最後まで読んでくれなかったらどんなに深い教訓が含まれていようと、そこで終わりになってしまうのです。


一息に読める、読んでしまいたい短さの中で表現してこそ形になります。

言うのは簡単だけど、そんな簡単に書けるものではないのはわかってます。


それでも、ただただ思うままにSSやら短編やらを書いている方に、もっと小説に意味を持たせて欲しいと思わずにはいられない。



読んだ後に何か考えさせられる寓意小説というものを書いてみませんか?


メッセージ性を形に出来たら、それはきっとたくさんの人の琴線に触れる作品になるはずです。


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