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小説講座  作者:
39/59

3、ストーリー構成 【枷」


読者心理を盛り上げる要素として、【カタルシス】と【起伏】という単語をご紹介しました。

その中で、目的に対する障害を用意して、それを苦労しながら乗り越える必要性を説きましたね。


さて、では障害とはどんなものだろう? というのが今回の項目です。


障害っていうと、壁的なものを想像しますよね。

立ち塞がる強敵とか、解けない謎とか。


確かにそれらも障害ではありますが、その他にも障害はたくさんあります。


今回使うのは【枷】という単語。

この場合の枷は、自由を奪うという意味の枷です。


敵や謎が現れるのも障害ですが、自由を奪われて行動が制限されることもまた目的に対する障害となります。


今回ご紹介する枷は四つです。


【時間的枷】

【人的枷】

【物的枷】

【空間的枷】


実際に全てを形で例を挙げていきます。



【時間的枷】とは、制限時間のことです。


遊園地に爆弾が仕掛けられたとしましょう。


主人公は非番でたまたま遊園地に来ていた爆発物処理班の一人です。

当然、どこに仕掛けたかは謎で、それを探し出すのがストーリーです。


これがもし、時間無制限で爆発物を処理しろ、って物語だったら緊張感がまるでないですよね。


12時00分に爆発する上に、客を避難させているほど時間に余裕がない、って展開だったらどうです?

一気に緊張感が増したはずです。


これが【時間的枷】。


制限時間という枷を物語に与えるやり方です。



続いて、【人的枷】。


当然、警察は動いて爆発物処理班を即座に送り込むことでしょう。

しかし、この部隊が優秀過ぎてスピーディーに爆弾を処理してしまってはまたしても緊張感が削がれます。


なので、事故が近くの道路で発生していて、どんなに急いでも爆発物処理班は制限時間内に来れないとしちゃいましょ。

するとすると、事件に対応出来るのが主人公一人になってしまいます。


こういう制限をかけるだけで、主人公がやらざるを得ない状況が作り出せます。


【人的枷】はもう一つあります。


主人公は何も一人で遊園地に来たわけではありません。

妻と娘も一緒にいました。


爆発物を処理しなければ、二人の命も危ない状況です。

はい、やらなくてはならない理由が増えました。


同時に、守るべき者がいるという状況はモチベーションUPにも繋がります。

これも【人的枷】。



さて、【物的枷】にいきましょう。


爆発物を処理するには道具が必要なはずです。


もちろん、遊園地に仕事道具を持ってきているはずもない

爆発物の種類によっては、特殊な道具が必要にもなるかもしれません。


さぁ困った、どうやって調達しよう?

また新たな障害が生まれました。


これが【物的枷】です。



最後です。


運が悪いことに、観覧車に乗っていた最中に機械トラブルで止まってしまいました。

最悪なことに頂上付近です。


まずは、観覧車から抜け出さなければならなくなりました。


【空間的枷】です。



ちょっと強引に制限をかけましたが、悪くはないストーリーが出来ました。

手枷、足枷でがんじがらめになった物語をまとめてみましょう。




【あらすじ】

爆発物処理を仕事とする主人公は、判断ミスをおかして部下を死なせてしまった。

失態に自分を失い、無断欠勤を重ねる最中、気分転換にと妻に遊園地へ無理矢理連れ出される。

無邪気に遊び回る娘の姿に僅かながら癒される心。

しかし、連れ回されるがまま乗った観覧車が不意に動きを止めた。

機械トラブルとの案内に胸を撫で下ろした直後、何かの予兆であるかのように携帯が鳴った。

相手は同僚から。

嫌な予感を覚えながら電話をとると、テロリストが爆発物を仕掛けたという情報が入ったと告げられる。

自分にはもう関係ない、と口にする直前に場所が遊園地であると付け加えられた。

爆発の時間まで一時間もなく、処理班の面々は間に合わない可能性があるという。

その上で、駆け付けられる場所ならば緊急で向かってくれと頼まれた。

電話を切った主人公は、自分にしか出来ない状況と守るべき家族の存在を強く認識し、立ち向かうことを決意した……。



こんな感じのストーリー背景を敷いてあげればいいですかね。

あっさりと一つの物語が出来上がりました。

肉付けをしっかりすれば、一本の小説が書けます。



わかりやすく、流れだけ抜き出してみましょう。



事件発生

自分にしか出来ない状況

守るべき家族

(人的枷)

閉じ込められた観覧車からの脱出

(空間的枷)

爆発物の種類特定後、必要な道具の選定と探索

(物的枷)

爆発までの時間との戦い

(時間的枷)

事件解決




これなら一目瞭然なはず。


もちろん、邪魔をするテロリストの存在や、爆発物の設置場所という謎が更なる障害になるのはいうまでもありません。


実は観覧車の自分たちが乗ってた籠の真上に仕掛けてあった、とかって捻りを加えたくなるものですね。

こんな展開、よく洋画とかで見かけます。


物語を盛り上げる仕組みとして、枷が存在している証拠です。

障害を積み重ねるほど解決は困難になりますが、その分、面白味は倍増していきます。



効果は抜群なはずですので、ぜひ意図的に組み込んでみてください。

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