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小説講座  作者:
33/59

4、世界観、設定 【ファンタジーにおけるトールキン様式】


舞台と背景について講座してきました。


わかっていただけたかと思いますが、現代日本が舞台となる小説を書くのと、異世界を舞台となる小説を書くのでは、労力がまったく違います。


ハイファンタジーを描くのは大変なんです。

そこで、トールキン様式というものをご紹介します。


そもそも文学におけるファンタジーの源流とは、現実世界に準じた出来事の一コマとして描かれるリアリズム文学のアンチ・テーゼとして生まれたものであるとも言われています。

リアリズム文学では得られない現実からの乖離を目的とした発祥です。


つまり、現実逃避の一種とも言えるくらいなので、現実を感じにくいように「世界からして違う舞台」です。


起源は民族原初の神話伝説や天地創造の起源譚、英雄物語といったもので、人よりも神々が関わる物語が多かったそうです。

18世紀~19世紀にかけては、ファンタジーは児童童話にその舞台を移しました。


その後、次第に対象が大人に広がった近代ファンタジー文学の一大転機は、J・R・R・トールキンによる『指輪物語』が刊行されてからです。


そう、誰もが知る映画『ロード・オブ・ザ・リング』の原作です。


彼のこの作品以前は、天地創造の物語――つまり、舞台を地球とした神話をファンタジー世界と呼んでいたのに対して、トールキンは地球を模した『異世界』を一から創造し、ファンタジーとしたのです。


架空の神話や人工言語から、ホビットや妖精、竜やドワーフといった人間以外の生物に、世界観にあったそれぞれの種族の生活様式や種族間の関係性などなど。

それまでのファンタジーとは一線を画した世界観で物語を描き切った作品だそうです。


彼の作品はのちのファンタジー作家に多大な影響を与え、以降「トールキン様式」と呼ばれる世界観にならった、いわゆる『剣と魔法』の世界の小説がブレイクしたわけです。


現実逃避のツールという意味合いでファンタジーが存在するのであれば、作品の舞台とする場所や時代は様々であって然るべきなのですが、中世ヨーロッパ風なのはその為ですね。


背景が練り込まれた設定を一つ作るのでも容易ではありません。

でも、それを形作るから価値が出てきます。


非現実的世界を、現実に近づける作業が小説のリアリティを生みます。

「こんな世界ありそうだ」と思わせたら作者の勝ちです。


トールキン様式を使ってもいいし、自分で作っても構いませんので、世界観や設定をリアリティあるものにする練習として、ファンタジー世界を描いてみるのいいかもしれません。


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