4、世界観、設定 【背景】
今回は背景についてです。
背景とは、バックグラウンドのことですね。
世界観、設定についてのこの章では、もっとも重要となってくる単語でしょう。
物語を描くために必要なのがこの背景。
世界観に限らず、キャラクターやストーリーにも多く出てくるので、その意味合いをしっかり把握してほしい項目です。
まず、背景とは何か? ということについて触れましょう。
辞書的な意味合いでは、人や物の背後の景色、となります。
この項目でも、意味は同じです。
さて、アナタはどういう人生を送って今この瞬間を生きていますか?
小説というのは、基本的に『今』を描くものです。
現在進行形の出来事(事件)のことですね。
ですが、『今』というのは何も突然始まるものではありません。
『過去』があったからこそ、『現在』という時間軸は存在します。
すなわち、今を描くべき小説でも、過去が存在するのが当然、ということです。
その過去が、背景=バックグラウンドとなるのです。
現代日本が舞台であるとしても、そこは仮想現実世界、現実にないモノ(物/者)が存在していてもおかしくはない。
ですが、その存在しないモノが存在する明確な理由が必要にもなります。
人が、他の動植物を食料としなくては存在出来ないように。
子供が、親なしでは生まれないように。
また、道具が人なしでは生み出されないように。
者であれ、物であれ、単独では誕生せず、また存在し続けることが出来ないということぐらい、知識としてあるはずです。
それが小説という仮想現実の世界であっても、無視してはいけません。
『今』を描くためには、ちゃんとした背景がなくてはリアリティなど欠片も見えないのです。
携帯小説では、その背景がないがしろにされているものが多いです。
理由は簡単、プロットもなしに書きたいものを書きたいように書いているだけで、無理矢理作った世界で無理矢理キャラを動かしているからです。
※プロットとは、小説の設計図です。漫画で言うネーム。項目を設けて、後日解説します※
煮詰まっていない設定をそのまま使うから、背景部分まで思考が及んでいないのが原因となります。
例えば、魔法が存在する世界観の小説。
体内にある魔力を変換して、物理的な効力を現す力、などという説明をしているものも見かけます。
あるいは、単純に魔力があるから、だというように。
正直、説得力がまったくありません。
少なくとも、≪人間≫にはそのような力はありません。
小説の世界だから、と片づけられればいいのですが、きちんとした小説であるのなら魔法の原理についても触れるでしょう。
魔法が使える条件や法則などが全くもって皆無なのに、どうやって読者を納得させるのでしょうか。
ということで、昔私が考えた設定を披露致します。
舞台は現代日本、魔法ではなく、気功術を使う武術についてです。
次のページが設定となります。




