1、文章作法 【小説的文章の心】
小説的文章とはなんでしょう?
流れるように綺麗な文章でしょうか。
難解な漢字を用いることでしょうか。
写実的な描写で表現することでしょうか。
豊富な語彙で的確に言い表すことでしょうか。
どれも正解ですが、一番大事なことはそんなことではありません。
小説的文章として、一番大事なことは「読者がきちんと理解出来る文章であること」です。
どんなに綺麗な文章でも、格好良い漢字を使っていても、脳裏に風景が浮かぶような描写でも、多種多様な言い回しでもあっても、文章を構成するにあたって読者のことを意識していなければ、それは読みにくく、理解しづらい文章となってしまっている可能性があります。
仮に日本語があまり上手でなくても、読む人間がいるということをしっかり意識しているのであれば、「どうすれば自分の思いを文章で伝えられるか?」を考えて文章を構成します。
その思いがあれば、自然と綺麗でわかりやすい文章になります。
それこそが物語に読者を引き込む最大の武器になる、ということを忘れないでください。
初めて小説を書いた頃は「どうすれば伝わるのか」を必死に考えていたはずです。
文章に慣れが出てくると、表現方法にこだわりを見せ、むやみやたらと難しい漢字を使って表現したりしたくなるものです。
それが悪いわけではありませんが、そちらに意識が行き過ぎて読者の存在を無視した自己中心的な文章になります。
どんな時でも、「読者がきちんと理解出来る文章であること」を念頭に文章を書くことを忘れないでください。
本作の1ページ目を読んでくださったからこのページにたどり着いているかと思います。
最初のページを読んで、どう思いましたか?
なんだ、これ?と思っていただけたなら、私の作戦は成功です。
一ページ目として、取っつきやすい内容と文章を追及した結果です。
一度は目にしたことがありますよね。
伝わることを意識した文章となっています。
本ページで、「小説的文章の心」を理解していただければ幸いです。