3、ストーリー構成 【転】
起で始まる物語は、承にて穏やかな展開ながら複雑化しつつキャラを悩ませてきたとこですね。
小説の中盤から後半へ向けて一気に加速していくのが、この転です。
ここでは、承で用意した落とし穴に主人公を落とさなければなりません。
結末に向けて収束していくと見せかけておいて、更なる障害を突き付けるのです。
読み手としたら、焦らされている心境ですよね。
読者心理の一つにカタルシスというものがあります。
この起承転結の項目が終わったらやる予定ですが、キャラの目的達成に対する障害を用意することで得られる効果がありまして、結論から言えば大きな障害を用意する必要性が小説にはあるわけです。
転はその最たる場所でもあり、物語内で一番の障害を用意する必要があります。
具体的に言えば、主人公及び取り巻きの信念やらモチベーションやらを崩壊しかねないほどの奈落の底に突き落とさなければなりません。
信じて突き進んだ道であり、目標達成寸前になった頃だというのに、根本から覆されてしまうような出来事を起こし、さらに物語を転がしてください。
絶望に浸るキャラにとことん考え込ませ、何がダメなのか、どうすれば立ち直れるのか、生き抜くための方策を練る姿を読者に見せ、大きな起伏を生むのが目的となります。
この障害が十分でないと、結末がとてつもなく物寂しいもので終わってしまうことにもなりかねません。
絶体絶命の危機というものを挿入し、もったいぶりながら結に後を譲ってください。
どこまでキャラを陥れられるか、腕の見せ所になります。
もちろん、地獄に突き落とすだけでは解決には至りませんよね。
結に向けての伏線として、事件を解決する手立てをこっそり提示しなければなりません。
ここで気を付けないとならないのが、偶然や他人の力に頼ってはいけないということ。
火災に巻き込まれた建物で、逃げ場もなく、火を消す手段もない状態。
こんなシーン見たことあると思いますが、ここでいきなり大雨が降って火が消え、生き残ることが出来た、という結末だったらどう思います?
興ざめもいいとこですよね。
(物語における『偶然』の使い方については、項目を設けて後日解説します)
それと一緒で、事件解決の切っ掛けは偶然や他人の力に頼ってはいけません。
たまたま目にしたテレビにヒントがあったとか、仲間が気付いて教えてくれたとか。
必ず主人公に切っ掛けを掴ませる手法を取ってください。
【転のまとめ】
1、大きな障害を設け、主人公を落とし穴に落とす
2、絶望して諦める寸前の心理状態まで導く
3、気持ちを盛り返させ、同時に事件解決の切っ掛けを用意する




