2、キャラクター理論 【弱点、コンプレックス】
愛すべきキャラには厳しく、と言いましたね。
今回はその続きとして、具体的にどうするか、です。
何も、武器を持たせずに魔王と戦わせる、ということではありません。
厳しくするのは、「障害」を設けるという意味合いです。
例えば、強敵だったり、乗り越えなければならない壁だったり。
もっと細かくしましょう。
怪我、謎、記憶喪失、身分の差、制限時間、トラウマ等々がありますかね。
どれもこれも物語で見たことありませんか?
こういった要素を含めると、「やるべきこと」が増え、キャラは四苦八苦します。
その過程で、友情や愛情を育んだり、肉体的・精神的に強くなったり、問題を解決したりすることで、物語に面白味が生まれるのです。
すんなり物語を進めないように、作者は邪魔しなければならないということです。
ではここで、ストーリー展開にも大きく絡んでくる、簡単な障害の作り方をお教えしましょう。
それはキャラに「弱点」や「コンプレックス」を作ることです。
もちろん、ストーリー上、意味のある弱点にしてくださいね。
人に劣っているものを備えたキャラだから、あえて欠点をさらけ出すようなストーリー展開にするのです。
最初は欠点が悪く作用して、障害を乗り越えることが出来ないでしょう。
その欠点を克服させる道を選ばせ、苦労の果てに欠点を補う結末を演出してあげることで、一つの達成感を得ることが出来ます。
読者にキャラを応援させ、物語の世界にのめり込ませるには最適の手段です。
構造としては、欠如→回復。
失われたものを取り戻す物語は星の数ほどありますが、これが一番スカッとする展開だったりします。
主人公の動機付けを行うに際して、その目的を果たすのを邪魔する障害というツールとして弱点やコンプレックスを備えさせてあげてください。
たったそれだけで物語は質を高めるでしょう。