2、キャラクター理論 【動機付け(モチベーション】
「人間は考える葦である」
17世紀フランスの思想家ブレーズ・パスカルの言葉です。
色々な解釈はありますが、私は「考えが、人間の偉大さをつくる」という意味合いが一番しっくり来ると感じています。
そう、人間は考えるのです。
行動の一つ一つに思考が伴っており、理由なき行動はありません。
小説世界に生きる人間も同じです。
ミステリー小説で、大きな動機もなく殺人を犯すキャラはいません。
人を殺すという、現代においては大罪とされる罪を犯すには、それ相応の理由というものが存在します。
その動機を明確に読者に伝えてあげないと、『理解出来ない行動をするキャラ』というレッテルを貼られ、如いては作者のご都合主義小説だと行き着いて片づけられてしまいます。
ストーリーを望む方向に持っていくにはキャラにこう動いてもらわないと困る、という思考はわかりますが、生きている人間として描くにはキャラが動く為の動機を定めてあげる必要があるのです。
人間的に行動させて、初めて魅力あるキャラクターというものは築けます。
行動の一つ一つに思考を伴わせてください。
さて、ここからが本題になります。
物語とは、人物、事件、世界に起こった出来事を纏めたものです。
どんな物語であるかを作者は文章を用いて描いていくのが小説。
物語の世界には様々なことが起こりますが、根幹をなす出来事というものが必ず存在します。
それを軸にキャラは動き、更なる出来事が起こり、紆余曲折を経て、結末に行き着きます。
その大きな出来事こそが主人公の行動目的となる、というのが一般的です。
さらわれた姫を助ける。
魔王を倒す。
片想いを成就する。
失われた財宝を手に入れる。
復讐を果たす。
化け物から生き延びる。
たった一文で書き表せることすら可能な、主人公の目的ですね。
これを動機付け(モチベーション)と言います。
動機があるからこそ、キャラは物語を生みます。
何かを成し遂げる為に行動する、というのがポイント。
絶対にこれだけは譲らないという信念的な目的意識を持たせ、行動の根幹に据えてください。
そうすることで、心が挫けるような場面でも困難に打ち勝つ原動力となります。
モチベーションをしっかり形作って、魅力あるキャラを描いてください。