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小説講座  作者:
13/59

2、キャラクター理論 【キャラに厳しく】※おまけで主人公最強設定について


やっぱり自分でこの世に生み出したキャラですから、作者としては愛着が湧きますよね。

ですが、小説世界に生きる登場人物に、作者は厳しくなければなりません。


どういうことか。


小説は日記ではありませんので、当たり障りのない、起伏のない出来事の羅列ではありません。

ライバルが現れたり、倒すべき悪役が現れたり、友が死んだり、恋をしたり。


様々な出来事を飲み込みながら物語を築いていき、最終的に登場人物に課した目的が果たされて完結となります。


ストーリー構成の章で大きく取り扱う予定ではありますが、物語の起伏というものに相当するのがこの「様々な出来事」です。


さて、愛すべき自作キャラに作者が甘々だったらどうなるでしょう?



まず、ライバルはいません。

きっと誰よりも飛び抜けた能力を持っているから。


倒すべき悪役は、いてもすぐ倒してしまうでしょう。

強すぎるから。


友は死にません。

守っちゃうから。


恋はすぐ実りますので、意外な展開はありません。



こんな小説読みたいですか?


……読みたくないですよね。

だって、読んでて面白味がないから。

※主人公最強設定はまた別なので、この項目の最後で解説します※



起伏に富んだ物語を望むのであれば、苦難に晒されて必死に行動するキャラの姿を描き、どうにか乗り切ろうかという時にまた新たな苦難が目の前に現れる展開を作る必要があります。


頑張ってる人間を鼻で笑うひねくれた人間は、そもそも人間ドラマを描くような小説なんて読みません。


人間ドラマとは、愛や友情、成功と挫折、精神的な苦悩とその克服などを描いた、言ってみればちょっと青臭い物語のことですね。


そういう物語の小説の読者は、きっと読んでいる内にそのキャラを応援している自分に気付くはずです。

頑張れー‼って。


誰もが体験したことがある気持ちなので、恥ずかしいことはありません。


そして、作者は読者にそういう気持ちを抱かせるのが目的なはずです。

だからこそ、キャラはいじめてイジメテ苛め抜いて、それでも周りに助けられながら立ち上がって向かっていかせなくてはなりません。


登場人物に愛情を注ぐのでしたら、読者に好かれるような魅力的なキャラになるように、厳しい展開を用意して乗り越えさせてあげてください。


強くて格好良いのは、苦難にも挫けず立ち向かう精神を持ったキャラにこそ言うべき言葉です。



さて、ここから矛盾した話が飛び交うかもしれません。

主人公最強設定についてです。


2~3年ほど前からネット上で徐々に人気が出て、今や一ジャンルとなっていますね。


キャラに厳しくないのに人気あるじゃん‼と思いますかね?


確かにそうですが、主人公最強設定は「人間ドラマ」とは別の要素を備えているので、今回の項目とは次元が違います。


では、別の要素とは何かというと、そのまま主人公の最強っぷりです。

あまりの強さに敵を寄せ付けない格好良さは、理想とするヒーロー像でもあります。


読者を引き込む構造もちゃんとあります。


人間ドラマのキーワードは「応援」

そして、主人公最強設定のキーワードは「自己投影」です。


そう、自己投影。

自分自身をキャラに投影させてワクワク感を得るには、最初から誰よりも強く、誰よりも愛される最強主人公は好都合の存在なのです。


一昔前なら邪道だと言われていた主人公最強設定ですが、起伏がない代わりに爽快感があるストーリー性が受けて地位を確立させている理由ですね。


キャラが四苦八苦して成長していく構造が映える物語もあれば、こいつは倒せないと思える敵をあっさり打ち砕く強さが魅力の物語もあります。


自身の書きたい小説のキャラは、物語はどんなものか。

描き始める前に像を形作る作業は大切ですので、怠らないように。

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