表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
宗家のお嬢様  作者: 飛鳥シオン
第一章 次女朱莉(あかり)
5/6

5


 ――――――通称、流刑島るけいじま

人々はこの阿乃瀬島あのせじまをそう呼ぶ。


 その名の通り、ここには流罪人が流れつく島となっている。



 彼女、朱莉はこの流刑島の監視を任される守人である。

まだ若い少女がここの守人なのは彼女の家、宗家の習わしでもある。

 生まれながらにその役目を背負い、物心ついたころには両親の元を離れ、この流刑島に連れてこられていた。

彼女を守人として育てたのは、彼女の叔父であり先代の守人であった。もちろん自分の両親のことも大切に思っているが、彼女にとって叔父は父親と変わりないとても重要な存在となっていた。


 幼い子供に何とも理不尽な習わしではあるが、彼女自身は苦とは思っていないどころか、むしろ好んでこの地にいる。

 物心ついたころからいたためなのか、流罪人たちと生活することが彼女の日常であるため、逆に本家に戻ることが苦痛でならないらしい。女の子らしい格好や正装をすることがいやらしく、呼ばれない限り戻らないほどである。


 守人の仕事といっても流罪人の脱走を阻止することぐらいで、毎日の見回りが日課となっている。

この島は本島からさほど離れておらず、泳いで渡ろうと思えばできる距離にある。しかしここの沖には鱶が生息しているため、泳いで渡ることは鱶の餌になるので泳いでの脱走を企てるものはいない。



 島から出るためには舟という手段しかないのだが、ここには舟を泊められるような港は一つしかなく、またその港に舟は一つも止まっておらず、本島からの渡し舟がない限りここから出ることはできない。

 だからこそこの島では舟を作ることを禁じており、それを取り締まるのも彼女の役目となっている。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ