空に融けた声
私はね名前も分らぬ鳥頭
十回言われりゃ覚えるが
三歩歩くと忘れている
親に毎日鳥頭と言われ
今は名前が鳥頭
本名忘れた鳥頭
何が嬉しく忘れるか
何が悲しく忘れるか
やがて全てを忘れたら
そこに何が残るだろう
悲しくても鳥頭
何を思えど鳥頭
自分のことを忘れても
愛する者は忘れないさ
前向きに生きよう
そう思えた空の下
悲しく星空見つめても
いつしか忘れてしまう
夕日に叫べども
虚空に泣いても
所詮は
所詮、
鳥頭
いつかは誰もが忘れてしまう
『空に融けた声』