信秀没す
どうも投稿2度目です。グダグダですが頑張って投稿していきたいと思います。ちなみに詳しい世界観とかは劇中で。
1551年尾張。
織田信長が父織田信秀が没す。
信秀の葬儀は朝から行われた。配下一同喪服を着こなし、葬儀を淡々と行っていた。
家臣の多くは信秀の死を悔んだ。なにせ、急な事であった。しかし、一部のものは違った。次の跡継ぎは誰かと騒ぎ立てていた。
信秀には12人の息子がいた。その内跡継ぎと目されていたのは嫡男信長と次男の信勝であった。
信長は奇妙な行動をとる事が多く、その破天荒な性格から『尾張の大うつけ』と呼ばれていた。
一方の信勝は信長とは対照的に、常日ごろ礼儀正しく振舞っており家臣の信頼と期待も厚かった。まさに絵に描いたような武士であった。そのためか家臣団同士の派閥もできていた。
この葬式の席に、信長の姿はなかった。戦があるというわけでもない。信行は正装をして礼儀正しく振舞っていた。
そして、信行が抹香を手向ける番になった。
「父上、どうか天にて我等を見守りください」
バンッ!!
その時後ろの障子がおもいっきり開けられた。
そして、中に一人の男が入ってきた。その人物に誰もが漠然とした。
それは、尾張の大うつけ、織田信長その人であった。しかも、その姿格好も家臣一同を怒らせるに足る言い分を兼ね備えていた。皆が喪服黒髪であるのにもかかわらず、頭髪は金。服装は乱れ、所々に金の刺繍が施されたコートをはおり、内には南蛮物の法衣を身に纏っていた。
信長は周りの視線等気にせず、どたどたと抹香と棺の在る位置まで来ると、止めようとする家臣を一蹴し、棺の前まで来ると、目の前にいる信勝などは目に留めず抹香を掴むと信秀の遺影に向かって勢いよく投げつけた。信勝と周りの家臣たちは驚きを隠せなかった。
そして、信長は来た道を引き返し庭に出ると、懐から拳銃を取り出した。そして、天に向かって弾がきれるまで撃ち放った。そして高らかに言い放った。
「俺が織田家を支える!俺が織田家を盛り立てる!だから心配せずに往生しな親父!」
これには周りの家臣も圧巻であった。しかし、感心するものも入れば不穏に思う者もいた。
ただ、それを見ることしかできなかった信勝の眼光は信長をただ、じっと睨んでいるだけであった。