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セキュリティ事件解決しちゃいますが、何か?JK紬のセキュリティ相談室  作者: 雨後乃筍
番外編 4年後の物語

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番外編 またね〜21歳の紬(前)

 大学3年生になった私は、東京ビッグサイトに来ていた。


 今日は国際セキュリティフォーラムがあり、そこで私の学部が研究発表をすることになっていた。


 4年という時間は、多くのものを変えた。


 高校時代の制服ではなく、スーツ姿に。駅前で買ったリクルートスーツ丸出しで、鏡に写った私は「服に着られている」感じだった。


 七香は「似合っているよ!コスプレみたいで」って言ってた、いつも一言余計なのよね。


「……ということで、SNSにおける国際ロマンス詐欺の再発防止策は、技術的対策だけでなく、ユーザーの心の拠り所を地域社会や家族といった『本物の絆』で補強することが重要です」


 マイクを持つ手が緊張で震える。震える手を抑えながら壇上での発表を終え、聴衆に一礼した。


 拍手が会場に響き渡る。


 ステージを降りると、いつもの明るい声が迎えてくれた。


「お疲れ様、紬!最高だよ!セキュリティ探偵さん、ね?みんな」


「七香、生徒の前で変な呼び方しないでよ。というか、まだその呼び名なの?」


 私たちは、大学に入ってからも変わらず付き合いは続いていた。


 七香は「学校の先生になる!」という夢を持ち、教育学部へ。


 私は経営学部で、企業のリスクマネジメントを勉強中だ。


 なんと今日は、七香の教育実習先の生徒を数人連れてきていたらしい!


 さすが七香というか、もう生徒を手懐けたんだって!


 呆れるやら感心するやら。


 私は、本当に偶然で、教授に私のパパのことを話したら、教授とパパは知り合いだったみたいで、「今度講演会で発表を」と大抜擢されたのだった。


 ものすごく緊張したけど、やり終えた達成感で満たされている。


「だって、紬のテーマ、高校の時の事件でしょ?あの事件が、今のアンタの原点なんだから、セキュリティ探偵でしょ!」


 七香は、私の隣で肘をつつきながら、まるで自分の手柄のように胸を張った。


「そんなんじゃない。今回のテーマがネット詐欺だったから、たまたま題材に使っただけ」


 七香は「ふーん」って言って、ニヤニヤしながら私の顔を見ている。


 なに?その顔‥


 他の講演者の方や、教授からも「良かったよ」「こんな若い女性がセキュリティのことを語るなんてね」とお褒めの言葉をたくさん頂いた。


「女子学生」という物珍しさもあるのだろうが、悪い気はしない。


 パパにも今回の資料作成はかなり手伝ってもらった。


 今日は昔仕事でお世話になった人と会うから来れないって言っていたけど、「後で録画を見せてもらう」って言ってた。


 一通り関係者の人との挨拶をすませ、待っていた七香に声をかけた。


「七香、お待たせ!どうする?帰りどこかで食事でも?」


 七香は、相変わらず何か言いたげな、ニヤニヤした顔で、聴衆席の後ろの方を指さしていた。


 なんなのよ、もう!


 私が七香の指先に目をやると、会場から出ていく人の波とは明らかに逆方向の動きをしている人影が目に入った。


 薄暗い後方の席から、前に向かって歩いてきている。


 もしかして、パパ?


<つづく>


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