2−3 ネットの裏側
私はパパに今日のフリマの件を話してみた。
思春期の女子高生が、パパとこんな話ができるなと不思議がられるが、我が親ながらこの手の話題には非常にクールでパパらしさを感じず、「まだChatGPTの方が感情的に思える」ような雰囲気を出してくるから、逆に相談しやすい。
パパが、そのフリマの出品を見てみたいというので、七香にリンクを送ってもらった。
即座にパパは同じ場所に到達したらしい、しばらくスマホとノートPCを操作していたと思ったら、考え込むように黙ってしまった。
「これは思ったより深刻かもしれないな」
「どういうこと?」
「おそらく、いやほぼ確実だが、この子はゲームかその類のチャットで知り合った相手に、売っているな。ほら」
パパが見せてくれた画面では、「〜様専用」の、〜様と同じ名前のアカウントが、某ゲーム用掲示板に表示されてた。
「この売り手は、ゲームで知り合った相手に制服などを売っているようだな。どっちから声を掛けたか今はわからないが、これがリアルで会うようなことがあった場合は、犯罪に巻き込まれる可能性がある」
「でも、この売り手が、同じの学校の子とは限らなくない?ましてや高校生かどうかも」
「確実ではないが、高校生だろう」
「なんでそんなことがわかるの?」
パパは、PCの画面をこちらに向けた。そこには、この売り手と思われるアカウントが発した発言の中で、「高校合格♡」の文字があった。
「いつの間に・・」
「ネット情報の裏取りは当たり前だろう」
「でも、高校生だからって、同じ高校だとは限らないでしょう?」
「それはまだ確認できないが、これだけ同じ制服を用意できるのだから、何がしかのルートがあるはずだ。」
たしかに
「確か紬の高校では、制服バザーとかの企画をPTAが主催していたな?」
「うん、秋の文化祭の時にやってるね」
「そこで集められた制服が売られている可能性があるな」
パパはしばらく考え込んだ後に、ぼそっと言った。
「学校に言わないといけないな」
「え?学校?ちょ、ちょっと待ってよ。そんなことしたら私や七香が喋ったってわかっちゃうじゃん」
「それは大丈夫だ、パパが勝手に見つけたことにする。現にこうしてフリマアプリに表示されている」「早い方が良いな。明日午前中に学校に連絡してみよう」
「紬、これは子供のいたずらで済む話じゃない。買い手は間違いなく成人男性だ。まだ現時点であれば、制服だけでリアルでは誰も被害者になっていない可能性が高いが、時間が経つとリアルな被害者が出る可能性がある。大人はこういう時に迅速に動く責任があるんだよ」
なんか大ごとになってきた。
<つづく>




