9−4 暗証コードのライン
「ダメだ、親父に連絡しているんだけど、既読にもならない。相当仕事が忙しいみたいだ」
佐藤がため息をつきながら言った。
「こっちもだめ、パパしばらく時間取れないって。LINEは読んでくれるけど」
私と佐藤は顔を見合わせた。
「どうするの?じゃあお手上げってこと?」
「私たちだけでやろう!」
七香が勢いづいて言った。
「前の事件でも私と紬だけで解決できたじゃん!今回もきっとうまく行く!」
七香のこういう楽天的なところは、停滞していた空気を一掃してくれる。
私は昨晩パパから聞いた話を二人に説明した。
「国際ロマンス詐欺ねぇ、でもどうやって証拠を掴もう?」
私と佐藤は、腕組みをして考えた。考えたけど、良い案は浮かばない。
パパならどうするかな?
「ねえ悠太。なんとかしてその叔母さんの相手のアカウントか顔写真って取れない?」
しばらく考え込んでいた七香が言った。
「え?どうやって?」
「叔母さんがお風呂とか寝ている時に、画面のスクショを取るの」
七香が自分のスマホをトントンと叩きながら言った。
「え?でもロックの番号が」
「あんた叔母さんの誕生日知らないの?」
「それは知っているけど」
「じゃあ、叔母さんの誕生日、あんたの誕生日、あんたのパパの誕生日を試してみて」
さすが七香は、こういうことにはめざとい。
私が口を挟む
「叔母さんが使っているのはiPhone?」
「ああ」
「じゃ10回まで試せるね、あとFaceIDかTouchIDは使っている?」
「いや、それはわからないな、使っていないんじゃないかな?そうゆうのに詳しくない方だと思う」
「じゃあ叔母さんがiPhoneを解除するところを動画に撮って。何回か」
「…わかった、とにかくやってみるよ。でももしFaceIDとかだったら?」
「それはそれで、やりようがあるから。まずは認証方式を確認してほしい」
その場は一旦解散して、夜にまたLINEで連絡することを約束した。
<つづく>




