7−6 点と点を繋ぐ
先生たちの厳しい視線、健太くんの荒い呼吸。
張り詰めた空気の中で、私は一度だけ深く息を吸い込み、ゆっくりと吐き出した。
(焦らないで。ノイズを取り除いて、事実だけを見るの)
パパの言葉が脳裏でリフレインする。
私が顔を上げると、視界がクリアになった気がした。
さっきまでの「JK」としての顔を捨て、私は健太くんの目を真っ直ぐに見据えた。
「健太くん。その『先日』って……具体的にいつのこと?」
私の声は、自分でも驚くほど低く、落ち着いていた。
「2、3日前かな?」
「変なメッセージが送られる前?」
「そうそう、確か変なメッセージが送られたって話がでる1日前」
「どんなウイルスだったの?」
「よくわからないけど、夜作業していたらすごい音がして、すぐサポートセンターに電話をしましたよ。サポートセンターですぐに対処してくれたので大事に至らなかったけど」
「サポートセンターの人が来たの?」
「いえ、リモートで対処してくれました」
「その電話番号はわかる?」
「えっと電話の履歴に残っているはずです」
私はその番号をインターネットで検索してみた。
私は大量の検索結果を目で必死に追った。
パパならきっと簡単に見分けられるのに。
・サポート詐欺
・偽コールセンター
・SCAM(詐欺)
・遠隔操作
そんな言葉が次々と出てくる。
そして、それぞれのページを開くと、体験談や、詐欺の性質なども掲載されていた。
言葉巧みにセキュリティソフトを無効化され、遠隔操作用のプログラムが、それと気付かずにインストールされてしまうことが。
<つづく>




