7−4 なりすまし
私と七香が進路相談室に入ると、教育指導の先生と、ロボ研の顧問の先生がいた。
そしてその横で青白い顔している男子が多分山岸くんだろう。
「お父さんには前にお世話になって」
教育指導の先生が口を開いた。そういえばパパは前に講演会をやったんだっけ。
ここに来る前に、七香を通じてロボ研の部長と話をした。
事態は想像よりも深刻らしい。
前の事件と私のパパの事が、かなり脚色されて伝わっているらしく、「魔法で助けてほしい」って言われたんだけど、魔法って…
「実は」
今度は顧問の先生が口を開いた。
山岸くんのSNSアカウントから出会い系サイトに誘導するメッセージが多数送られたらしい。
しかもメッセージは「この写真見て」「この動画面白いよ」などと他愛もないもので、そこについているリンクをクリックすると出会い系サイトに飛ばされるらしい。
「僕、やっていません!」
「昔そのSNSは作った事があるけど、結局使わずにそのままになっていたやつで」
「ましてや出会い系サイトなんて使ったこともないです!」
「でも、でも、僕のせいでロボ研が…ロボ研のみんなが変な目で…」
山岸くんは切実な声で訴えるが、それが先生たちには疑わしさを増長させているようだった、ロボ研で1番PCに詳しいという点も合わせて。
「受け取った子は、普段の山岸くんなら使わないような言葉遣いだったって、言ってたよ」
七香が補足した。
なるほど、これはパスワードを使ったなりすましかな?
「それだけじゃない」
先生の険しい顔から、事態はもっと深刻だとわかった。
どうやら山岸くんのPCからある企業に大量の通信が行われていたらしい。
幸いにも大事には至っていないが、場合によってはその企業のウェブサイトが落とされていた可能性もあったらしい。
うん、思ったより深刻だな、これは。
<つづく>




