7−1 リモートコントロール
山岸健太は、夜遅くまで自宅のPCでプログラムのコードを一行一行追っていた。
健太は高校のロボット研究部、通称ロボ研に所属しており、ロボットのプログラミングを担当している。
来月の文化祭に向けて毎日プログラムの改良を繰り返していた。
今回のロボ研のテーマは「自動運転」
リモートコントロールされたラジコンカーが教室内のコースをぶつからずに走り回る。
そんな出し物だった。
「なんとか間に合いそうだ」
今日のテストでは、自動運転の車が止まってしまい、車同士がお見合いの状態で止まってしまったが、そのループ箇所を特定しエラー処理を組み込んだところだった。
プログラムのバグを特定するのはかなり苦労した。
元々のモジュールは海外のサイトから持ってきた物だったので、翻訳ソフトを使って説明書を読んだりフォーラムで聴いたりして、なんとか解決したものだった。
その時、
深夜の静寂を切り裂くように、「BEEEEEP!!」 という耳をつんざくような電子音が部屋中に響き渡った。
「うわっ!?」 健太は弾かれたように椅子から飛びのいた。
心臓が早鐘を打つ。
さっきまで整然とコードが並んでいた黒い画面は、毒々しい赤色に塗り替えられていた。
画面中央には、血のような太字で『ウイルス警告』の文字。
その下で、感染状況を示すステータスバーが、まるで死へのカウントダウンのようにジリジリと伸びていく。
止めなきゃ。でも、どうやって?
どのキーを押しても反応しない!
額からは嫌な汗が伝い落ちた。
なんてことだ。
十分に対策していたはずなのに自分がウイルス感染に遭うなんて!
部長になんて言い訳したらいいんだ!
<つづく>




