表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

駅長は魔法使い

作者: 禾乃衣

 役目を終えた精霊たちが乗る電車。

 駅長である魔法使い、クオルが今日も見送る。


 気配を感じ、かぼちゃのパイを作る手を止め顔を出す。

「こちらで合ってますか」

 不安そうな顔をして聞いてくる精霊に優しい声色で答えて椅子に案内した。

「電車が来るまでしばらくありますのでゆっくりしていってくださいね」

 クオルが笑顔で言うと精霊は安堵の笑みを浮かべた。


 駅長室に戻ったクオルはかぼちゃのパイを焼き紅茶を淹れて、最後に魔法をかける。

 くんくんと匂いを嗅ぎつけていた精霊に「どうぞ。 今朝採れたかぼちゃで作ってみました」

「いただいてよろしいのですか?」

「ええ。 どうぞ」


 精霊はかぼちゃのパイを一口食べるとさらに和んだ顔になり話しはじめた。

「300年、守り続けてきました」

 クオルは柔和な顔をしてじっと聞いた。

「最後の主を先日見送りました」


 話し込むことしばらく。

「なんだかすみません。 私ばかり話してしまい」

「いいんですよ」

 にこりと笑ってクオルは精霊を見送った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
精霊と魔法使いが語らう世界。幻想的な光景が目に浮かびます。
2024/12/31 19:21 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ