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 季節外れの桜が咲いていた。それはもう満開に。

 現実世界の今の季節は秋なのにここは春だから、一瞬錯乱してしまう。


 そこに誰もが一目置く美少女――藍川明音が直立している。


「それで、何の用? もう言われることは殆ど予測がつくけど」


 久しぶりに夢で見た明音の様子はいつもと変わらなかった。ただ、若干表情だけが変わっている。


「現実世界の幼馴染に明音とは別れてほしいと言われたんだ。関係を断つまで口利かないって脅されちまって……」

「え――そもそも私たち付き合ってないじゃない。別れるっておかしくない?」

「じゃあ何で性的なことまでしてくるんだ。俺も君とは付き合ってる感覚無かったが、幼馴染には付き合ってる認定されたんだよ。もう君の夢は見たくない」

「ひっどーい。久しぶりに会えたと思ったら……」


「――分かった。もう秋良に私の夢は見させない」

「ああ」


 もうすぐ夢から醒めるだろうと思っていたのだが――夢から醒めそうな直前で驚きの光景を見てしまった。


 明音が桜の木の枝にロープをくくり付けて、自殺しようとしているのだ。


「あ! ちょっと待て」

「傷つけるようなこと言ったのはそっちでしょ?」

「だからって死のうとするなよ。夢から醒めても罪悪感で俺が苦しむだろうが」

「ほら。自分のことしか考えてない。あなたは」 


 確かに。それはそうだが。

 でも誰かが自殺する夢は夢見が悪い。なんとかして止めなければ。


「――夢の中なんだから、何やっても自由でしょ?」

「それに《《どうせまた会える》》んだから」


 何だろう……。この含みのある言い方は。


 そして、夢から醒めるのと同じタイミングで俺はグロいてるてる坊主を見てしまった。

 一生トラウマになるやつやん。


 夢から醒めるとやはり明音の名前を忘れていた。


 それからというもの、明音の夢はこれっきり見なくなった。


 そして、雫とも会話出来るようになった。


 順風満帆じゅんぷうまんぱんな日々。もうすぐ文化祭が始まる。今年も雫と回ろうと思っている。


 でもまさかあんな形で明音(?)と再び巡り合うことになるとは、この時の俺は知らなかった。


「文化祭一緒に回ってくれなかったら、殺すからね?」


 夢に出てくる女は『自分を殺す』で現実の幼馴染は『俺を殺す』なんだな。


 どっちも嫌だわ!

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