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プロローグ:能無し鷹は偽爪をひけらかす


 宿題のプリントを教室に忘れた櫻井雪斗さくらいゆきとは教室の鍵を職員室で借りて、夕方の校舎内を歩く。薄暗いせいか気分が強張り、あるはずのない気配を背後に感じる。


「不気味だなあ」


教室に入るや否や自分の机の中に手を伸ばし、プリントを取り出してそのまま席を離れようとするが、ふと目をそのプリントに落とすと、宿題のプリントではなかった。席を見てみるとそこは自分の一つ後ろの席、成績優秀超絶優等生、天笠芽衣あまがさめいの席であった。そっとプリントを戻した刹那、入口付近からとんでもない圧を感じた。正体は天笠であった。うつむき、ズタズタと雪斗に近寄る。そして雪斗を見上げ紅潮し、涙目になり、突如口を開く。


「お願い!!絶対!ぜーーっっったい!誰にも言わないで!!!」

「ぇ?」


普段と口調の違いすぎる天笠に放心する。


「お願い!一生のお願いだからぁぁぁ!!!」

「え?なになになになに!?」

「とぼけないで!見たでしょ!私のテスト!14点のテスト!入学してから誰にも気づかれてなかったのに!」

「え?」

「え?」

「なんのこと?」

「え??」


数秒時が止まった。入学して約二ヶ月、一度の会話もない二人にとって永遠に感じられた。


「あー、なるほど。そういうこと」

「どういうこと?」

「えーっと、結果から言いますと…俺はこれがテストだって知らなかったよ。だから、なんというか…自爆…..的な?」

「、、、、、、っうわぁぁぁぁぁぁ!!!!!」


数秒考えたのちの絶叫。心境は言うまでもない。

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