どんなに僕がキミの事を好きでも、キミは僕を全く見ていないんだね!
・・・僕も分かっていた事だった。
キミには、“本気で好きな人が居て、その人しか見えていない事。”
僕がどんなにキミの傍に居ても、キミは僕の事なんか見ていない!
鏡に映る程度に、僕がキミの瞳に映っているだけなんだ!
次の瞬間、キミの瞳から僕が消える。
何時だって君の瞳に写り込んでいるのはキミの好きな男性だけだね。
でもいつか? 僕がキミの瞳にずっと写り込んでいたい!
永遠に消えない、“キミの記憶に、、、!”
『あのね? 今度さ、二人で何処かに、、、』
『“来週の土曜日、空いてる?”』
『うん、空いてるよ。』
『じゃあ、来週の土曜日! 俺と一緒に着いて来てほしい所があるんだけど、
いいかな?』
『うん! 大丈夫!』
『“じゃあ! 来週の土曜日、約束ね!”』
『うん!』
『“また連絡するから!”』
『うん、分かった。』
・
・
・
『“えぇ!? 何か言った?”』
『・・・い、いや、別に、』
『そう、じゃあーまたね!』
『・・・う、うん、』
あんなに嬉しそうなキミを見て! 僕はそれ以上、何も言えなかった。
本当は、“二人で何処かに行かない”ってキミに聞きたかったんだ!
でも? “僕も臆病だからキミに聞けない。”
断られることに僕はまだ慣れていないから......。
何度キミに断られても、何度でもキミを誘えるメンタルがあれば僕だって
いつかはキミに見てもらえるかもしれないのにね。
“怖いんだ、怖いんだよ!”キミに嫌われるのが怖い!
あんまりキミにしつこくして、嫌われる事が怖いんだ!
僕は弱虫で情けない男だよね。
本当はキミを僕だけのモノにしたいくせに、勇気がなくてキミに好きとも
言えない憶病者だ!
もっとグイグイ、キミに行けたら? キミは僕の事を好きになってくれる
かなって思ったりもするんだよ。
・・・だけど? まさか!?
僕以外に、“キミを好きな男が現れるなんて、思ってもみなかった!”
『ねえねえ、奈絵ちゃん?』
『うん? どうしたの?』
『“今度さ、日曜日、空いてる?”』
『えぇ!?』
『日曜日、映画でも観に行かない?』
『・・・ゴ、ゴメン、次の日曜日は予定が入ってるからムリかも!』
『じゃあ、その次の日曜日でいいよ! 映画、ふたりで観に行こうよ!』
『・・・あ、あのね? “私、好きな男性が居るの!”』
『そんなの関係ないよ! オレが奈絵ちゃんの事が好きなだけなんだからさ!』
『・・・・・・』
『あんまり、固く考えないで! “今は友達でいいんだからさ。”』
『・・・じ、任君、』
『気楽に行こうよ~』
『・・・ううん。』
“僕の新たな恋のライバルが突然、現れる!?”
こうなってくると、なんだか自信もなくなってきた。
僕なんかをキミが本当に見てくれる日が来るのかな、、、?
僕の存在が、“キミの中から薄い存在になってないかな?”
僕はキミに積極的に行けないし、遠くからキミを見てるだけ。
どんどん、キミが僕を見てくれる時間が減っていくように感じる。
今だって! “キミは僕を見ていないのに、余計に僕を見てもらえなく
なっちゃうよ!”
“もう僕はキミを諦めようか、”一層の事! キミを嫌いになれたら、、、。
僕はキミの事が好きで好きでしょうがないと言うのに、キミはそうじゃない!
キミの好きな男性だって! 他に好きな女性が居るんでしょ?
それでもキミは、好きな男性を忘れないの?
僕もキミを忘れられないからキミもやっぱり無理だろうね。
“あのさ? ほんの少しでいい! 僕を見て!”
僕の心の声がキミに届けばいいのにな。
無理に決まってるよね!
『“吾郷喜クン?”』
『・・・うん?』
『“私の事スキ?”』
『えぇ!?』
『“私と付き合ってみない?”』
『えぇ!? でもさ、奈絵ちゃんの好きな男性は、、、?』
『知ってたの? 私の好きな男性のこと......。』
『・・・あぁ、ううん。』
『彼ね? 他に好きな女性が居てさ、その女性と結婚
するんだって!』
『えぇ!?』
『・・・だから、“私も好きな男性の事、忘れなくちゃね!”』
『でも、忘れられるの?』
『“無理かな。”』
『“無理しないで!”』
『でも、そんな私を吾郷喜クンはずっと見ててくれてたんだよね!』
『えぇ!? あぁ、う、うん。』
『“だから、今度は私から吾郷喜クンの事! 好きになるね!”』
『・・・そ、そんなこと、奈絵ちゃん、できるの?』
『“出来ると思う! 私ね、今は吾郷喜クンの事が少し気になりはじめてる
いる事に気が付いたんだよ!”』
『“ほんとう?”』
『うん!』
『“本当に僕みたいなやつでもいいの?”』
『“吾郷喜クンはもっと自分に自信を持った方がいいよ! カッコいいんだ
からさ!”』
『う、うん!』
・・・なんかね、僕の考えてもみなかった結果になったんだ!
“今は僕の隣で笑うキミが居る!”
いつまでも僕の隣で、キミの瞳に写る僕を見ていたい!
最後まで読んでいただいてありがとうございます。