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その64

翌朝、島本からひとつの提案があった。


「是非、春田部長に会わせたい。もう1日、我々に付き合ってくれないか。」

「えっ! ど、どうして?」

私は単純にそう訊いた。

彼等ともう1日付き合えることは嬉しい事だったが、どうしてその春田部長という人物に会わせたいと言われるのかが分からなかった。


「いゃあ、特別なことを考えている訳じゃあない。

ただ、春田部長はインドに詳しいし、その歴史にも精通している。

これからの君の旅にきっと役立つ話が聞けると思うからだ。

特に予定がなければ、もう1日付き合って欲しい。

今日、昼前には春田部長と合流するから・・・。」

「わ、分かりました・・・。」

私はその申し出を受け入れる。


急ぐ旅ではない。

インドで出会った日本人がもうひとり加わるだけだと思った。



それで、私もその日は彼らの後ろをついていくことになる。


「今日の現地はやや山間部でねぇ・・・。」

そう言って、彼らはジープに乗り込んだ。

当然に私も黙って乗り込む。


「君は運転免許は?」

島本が訊いて来る。


「ええ、一応は・・・。」

「国際免許はまだだろう?」

「ええ・・・、そこまでは・・・。」


「あれって、結構やっかいなんですよ。」

運転席に座っていた前田が自嘲気味に言う。


「苦労したものなぁ・・・。」

そう冷かすように言ったのは佐々岡だった。


「だってね、交通ルールが皆違ってて・・・。」

「そう言えば、ここも車は左側通行なんですよね。」

私は、改めて日本と同じである事を再認識する。


「ああ、それだけはね・・・。

でも、これも歴史的な面が強く影響していて・・・。」

島本が誰に言うでもなく言う。


「歴史的?」

「ああ・・・、インドって、イギリスの植民地だった時代があって・・・。

その影響で左側通行になってるんです。」

凸凹道に揺れながら、そう説明してくる。



(つづく)





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