第一話「代償関係」
初めまして!
最強能力って憧れるけど、普通に生まれてからずっと自分について考えると辛いかもね~…。
なんとか連載頑張ります…。
マンガや小説なんかでよく出てくるものとして、特殊能力というものがある。特殊能力を駆使して敵を倒したり、仲間を助けたり、実にカッコよさそうだ。
しかし、そんな特殊能力も万能ではない。能力の使用回数に制限があったり、特定の相手にしか効かなかったり、なにか対価が必要だったり…。
一般的には強いものほど、大きい代償があるのが普通らしい。つまるところ、簡単に強くはなれないということだろう。
「はぁ…」
僕の名前は、狼勝。男子高校生。17歳。偏差値がちょっと高めの私立高校に電車で通い、成績は中の下。部活は帰宅部。恋人はいない。
今は休み時間に友達の椿から変なことを言われて返答に困っている。
「それで、それがどうしたんだ?」
「気付いたんだよ!私たちが生きてる世界の真理と全く一緒じゃん!つまり現実世界にも特殊能力が存在してもおかしくないってことじゃない!?」
「お前なぁ…」
森椿、クラスメイト。女子。部活は軽音部。彼女は少し頭が悪い。成績は僕より上なのだが、大事なところが抜けているというか、時に筋が通ってないことを言うのだ。
「この世界の人間が書いた物語なんだから、この世界の真理が組み込まれてるに決まってるだろ。」
「あ、確かに…。」
まったくだ。
「でもさ~。あったら良くない?他の人とは違う特殊なことができたら楽しそうだけどな~」
「代償も考えろ。こっちが代償を決められるわけじゃないんだぞ?勝手に決められた能力を一生背負って生きていきたいだなんて正気の沙汰じゃない。」
「まぁそれはそうかも。」
少し笑いながら椿が返す。
正直、ヒヤッとした。なんせこの世には特殊能力が確かに存在する。僕はその能力者なのである。しかも僕の能力はほぼ最強。
「ね。帰りにちょっと買い物付き合ってよ。」
椿が言ってくる。
ラブコメならこれはデートの誘いかなんかで伏線にでもなるんだろうが、椿には彼氏がいる。椿の彼氏は僕の弟だ。
そろそろ颯の誕生日だし、そのプレゼントでも選んでほしいんだろう。
「あーはいはい。颯だろ?いいよ。」
「ほんと!?よかった~。」
弟の名前は颯という。1歳下だ。別に嫌いじゃない。颯にも嫌われてはない…と思う。
だから颯とも交流はよくするし、今颯が欲しそうなものも大体わかる。何にすべきか、放課後になる前に考えておこう。
しかし、次の椿の言葉で、僕はそんな思考が一気に消え去ってしまった。現実はどうもそう簡単に進むものでは無いらしい。
「颯くんの下着の好みとか、兄弟以外に聞けないもん!」
「…は?」
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