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第8話 ただいま爆走中


 俺は王女にそっと毛布をかけた。シャワーを浴び、簡易な食事をとった王女は歯を磨きながらコテンと眠りに落ちてしまった。


(こういうところも子どもだな。)



 ヒヨコ丸の中は操縦室の他に簡易だがシャワー室やトイレもあった。水はタンクにためていたが、汚水を完全濾過して循環させることもできるらしい。


 他には仮眠室(王女を寝かせている)、弾薬武器庫、機関室があった。



 ヒヨコ丸の内部は静音で振動も少なく、乗り心地は快適だった。俺も眠くなり操縦席に身を沈めたが、疑問をひとつ思い出した。


『光学迷彩、静音モードで走行中。敵影なし。目的地到着まであと18時間。おやすみなさい。』


「その前に…ひとつ聞いていいか?」


『なんでもどうぞ。』


「慌ててたから今、気づいたけどさ。」


 俺は両腕を伸ばして思いきりのびをした。


「なんでわざわざ俺をあの街まで走らせたんだ?」


『説明が必要ですか?』


「今後の信頼関係にかかわるからな。」


 少し間があった。


『それは3つの理由があります。』


「言えよ。」


『まず第1に、今後のことがありますから、お客様の目の前で僕がお客様を撃つわけにはいきません。僕からひき離す必要がありました。』


「なるほど。2つめは?」


『確実に命中させるために、プラム王女の動きをとめる必要がありました。それには袋小路が最適です。平原に袋小路はありませんのでね。』


「そうか。で、3つめは?」


『まさか僕が、単に面白がってタケちゃんをさんざん走らせただけだ、とでも言いたいのですか?』


「まさか、そうなのか?」


『うん、まあね。』


「このうそつきAIめ!」


 俺は2度とこいつの指示を頼りにはしない、と心に決めて眠りにおちた。


  


 眠りに落ちる直前、ヒヨコ丸のひとりごとが俺の耳に聞こえてきた。



『そーゆータケちゃんだってさ、僕に隠しごとをしてない?』

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