ある執事の独り言
まず、執事の独り言から始めさせてもらいます。
伯爵令嬢がいる。
サラ・ルワンダ(12歳)
俺、レイヤ・ルワンダ(15歳)の従姉妹。
執事としてサラに仕えている。
そのサラが最近おかしい。
アホでバカで根暗でワガママで……
どうしようもない令嬢だったはずなのに。
それがどうしたことか。
今では、聡明で明るくて優しくなった。
今までは…
「この融通の効かない執事ね!!!すぐ持ってきてよっ!」
と罵ったり
「私、私だけなんでなんで、あ----っ!」
いきなり癇癪を起こして、物に当たったり
「私なんて私なんて、死んだ方がいいんだわ……」
部屋の隅で、ぶつぶついっていたりなどのいわゆる情緒不安定。
……両親を亡くしてからずっとその調子で、誰にも心を開かなかった。
話を聞こうとすると、
「私のことなんて貴方に分かるわけないわ!!!」
そう言って部屋に引きこもる。
なんだんだよ
俺が何を言っても耳にさえ入れてくれない。
俺は、ほとんど諦めていた。
幼い頃のように一緒に話したりなんて出来ないと。
だが、変わった。
サラは、変わった。
性格といい、まるで別人だと思うことがある。
そんなことは無いと思うが……
今のサラは、どんな顔をするんだろう
とか
俺は今のサラに興味を持った。
次から主人公の登場です。