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Smooch!  作者: えびふらい
2/2

蚕の赤いミトン

ノエルはオレンジとブルーの髪を前髪までワッフルさせて

風船のモチーフのヘアゴムでふたつに結んでいた

深緑のベルベットリボンがついたアンティークレースの付け襟に

黒のワンピース、球体人形の関節タイツに

ピンクのバレエシューズを履き

ビスケットのポシェット

ぶどう色のリップを塗り

ビッシュの南京錠を開ける鍵をネックレスとして身につけていた


ビッシュはスカイブルーのヘアカラー

前髪はちょんまげ

濃いグレーのTシャツとオレンジのつなぎに

チェッカー柄のラバーソウル

蛍光グリーンの鋲付きリストバンド

目の周りにオーロラのグリッターシャドウを塗り

スカウターを装着していた

そしていつもの南京錠のネックレス




ノエル

「LOSTに行きたい

無印商品に行きたい

ペットショップに行きたい

できたらサーカス団もきてるからみに行きたい」


ビッシュ

「たくさん行きたいところがあるね

…僕は天使と薔薇の雑貨屋さんに行きたい」


ノエル

「真っ赤なミトンの手袋がほしい!」


ビッシュ

「わかった、今日は元気みたいだから行こうか?」


ビッシュはバイクを持っているが

ノエルが大のバス好きなので

手を繋いでバス停まで歩く


ノエル

「ビッシュの手がカサカサなの」


ビッシュ

「痛い?ごめんね、ハンドクリーム塗ってるんだけど…」


ノエル

「LOSTの化粧品売り場でみてみよう

いいハンドクリームがあるかもしれない

あ、バス来た」


バスに乗り込むと

ノエルが真剣な顔をしてこう告げた


ノエル

「ビッシュはサボテンじゃない?」


ビッシュ

「えーーーーー‼︎ごめんなさい手荒れがひどくて

僕を捨てないで」


ビッシュは半泣きになり大きな目をくしゃくしゃにした


ノエルは大きくため息をついてビッシュの肩に頭を乗せた





ーLOST到着ー


LOSTの目の前にゲームセンターがあった


ノエルは足取りも軽くるんるん状態になっていた


ビッシュ

「あ、プリクラ撮りたい」


ノエルはビッシュの手をぐいぐいひっぱって

LOST店内に入った


ノエル

「わー!秋物の帽子がいっぱいだー!」


ビッシュ

「プリクラ…」


ノエル

「あとで撮ろう、このキャスケット可愛い

ベロア素材で秋だね

こっちはパンダのアップリケだからビッシュでしょ

これはうさぎだからわたしの」


ビッシュ

「え?買うの?手袋は?」


ノエル

「ひとつ2800ピール、今日の予算は3万ピールだよね?

保留にしよう」


ふたりは手を繋いでエスカレーターで二階の化粧品売り場に向かった


角のスペースにネイルサロン


ノエル

「ネイルおそろいでしたい」


ビッシュ

「しようしよう!

おすすめのハンドクリームも聞いてみる!」


ネイリスト

「今日はどんな感じにされますか?」


ビッシュ

「ノエルちゃんに捨てられない感じで…

あ、えっとリーフな感じでお願いします」


ノエル

「わたしはおまかせします!」




ーご来店ありがとうございましたー




ノエル

「どうしてノエルの幾何学模様なの?」


ビッシュ

「僕もリーフってお願いしたけど緑と白のマーブルになったよ」


ノエル

「少し変だよね?」


ビッシュ

「ノエルのは素敵だよ」


ノエル

「ありがとう、おすすめのハンドクリーム教えてもらった?」


ビッシュ

「うん、あ、これかな?

庭師のハンドクリーム」


ノエル

「庭師じゃないのにね、ただのビッシュなのにね」


ビッシュ

「うん…」


ーお買い上げありがとうございますー



ノエル

「ビッシュのネイル綺麗だね

すごくいいと思う

庭師のハンドクリームいいかも!

なんだかふかふかになった気がするビッシュの手」


ビッシュ

「え⁈ほんと⁈すごく嬉しい‼︎

ありがとう、ノエルはやっぱり天使だよ!」


ノエル

「ビッシュはもっと天使だよ」




ー無印商品ー






ノエル

「無印商品ではほんとは特に何もないんだ

ただりんごチップを買いにきただけ」


ビッシュ

「そうなの?」


ノエル「ふふふ!」


寝具コーナーに一目散に走ったノエル


ノエルはベッドに寝転んだ


ノエル

「なんだかモダン・タイムスみたいな気分になるの」


ビッシュ

「チャップリン?」


ノエル

「わたしが頼んだら、

目隠しローラースケートしてくれる?」


ビッシュ

「もちろん!」


ノエル

「ビッシュが恋人でよかった」


ビッシュ

「僕はいつもそう思ってる」


ノエル

「うーん、やっぱりさっきの帽子がいいなぁ」


ビッシュ

「そうだね、そうしよう」



ー1階ー


ノエル

「いまかぶるのでタグを切ってもらえますか?」


店員

「かしこまりました」


ーお買い上げありがとうございますー






ビッシュ

「プリクラ撮りたい」


ノエル

「あとでね、メキシコ雑貨屋さんに行こう」


ーメキシコ雑貨屋ー


ノエル

「この象のフロアマットほしいかも」


ビッシュはロザリオブレスレットをみていた


ビッシュ

「ゼンくんとハイホーとフルーツブラザーズに

ミサンガ買って帰ろう」


ノエル

「私たちはこのおもちゃみたいなロザリオにしよう?」


ビッシュ

「うん、可愛い、そうしよう」


ーお買い上げありがとうございますー




ビッシュ

「お腹減ってない?

今日は過呼吸の発作も出てないし

とてもいい調子だね」


ノエル

「いつも気遣ってくれてありがとう

ビッシュはお腹すいた?」


ビッシュ

「今夜は山猫軒で食べる予定だから

僕はお腹をすかせたいと思ってます」


ノエル

「わかりました隊長!

RUSHで石けんがみたい」


ビッシュ

「天使と薔薇の雑貨屋さん…

ノエル、RUSHに行くと長いから…」


ノエル

「わかった!天使をみにいこう!」


ー天使と薔薇の雑貨屋ー



ノエル

「ほしいほしいほしいほしい‼︎」


ビッシュは右手で顔を覆い深いため息をついた


ノエル

「このビロードのカーテンがほしい!

29800ピール」


ビッシュ

「深緑色でいいと思うけど

今日は色々買ったし

クリスマスにしよう」


ノエル「ブー!」


ビッシュ

「これください」


ノエル

「天使の灰皿買うの?」


ビッシュ

「前からほしかったんだ」


ノエル

「すてきだね!」


ーお買い上げありがとうございますー




ノエル

「先にプリクラ撮る?」


ビッシュ

「うん!」


ビッシュとノエルはカーテンを開けてプリクラのカメラの前に立った


ノエル

「変顔しよう!」


ビッシュ

「うん!」


ノエル

「あははは!ビッシュ変なの〜」


ビッシュ

「ノエルは変顔も可愛い」


ノエル

「キスプリ撮ろう!」


ビッシュ

「うん!」


ちゅっ


ノエル

「ん〜〜〜‼︎苦しい、ストップストップ!」


ビッシュ

「ノエルをいっぱい抱きしめたい

チューがとまらなくなった」


ちゅっ ちゅっ


ノエル

「おおかみさんになったのですか?」


ビッシュ

「おおかみさんになりました」


ノエル

「石けんは?」


ビッシュ

「あとで」


ノエル

「山猫軒は?」


ビッシュ

「あとで」


ノエル

「行くのですか?キャッスルキャッスルへ」


ビッシュ

「行くのですキャッスルキャッスルへ」



ノエル

「わたしビッシュが好き」


ビッシュ

「僕もノエルが大大大好き!」




僕は未来型の蚕になって

赤い糸を吐き出し

君と僕とを繫ぎとめる

隙間なんてないくらい

赤い糸で




綺麗に切り揃えられた石鹸よりも

丁寧に作られたフルコースディナーよりも


いま、君に夢中(Smooch)‼︎





















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