Ambiguous
死んだらどうなるのか
宇宙の広さ
自分以外の人の感情
考え出したら終わりの見えない事は多い
考えている時間は不思議と早く過ぎる
自分の心すらまともに理解できないのに
他人の心なんて理解できるはずもない
自分自身は誰なのか
一度あなたも向き合ってみたらいかがでしょうか
この話を最後まで読み終わるまでの間
秒針は何度あなたに呼びかけるのでしょう
見飽きたからくり時計の秒針が年老いて
寂れた音で幾度となく同じ道を辿り
数え切れない私の呼吸が終わりを迎える頃
私は何を考え暗く深い場所へ落ちるんだろう
時間の先に確かに存在しているのは死だけだ
それだけは変わることの無い信憑性の具現
それ以外のものなんて不確かで掴めない
何一つ信じれたものじゃない空想上の夢幻
私は私に意味を見い出せないまま
無駄に月日を過ごしている
他愛無い日常に味気無さを感じ
いつかきっと、と未来を語るくせに
何もしないままただ生きている
冬の澄んだ世界に身を震わせながら
紫煙を空に溶かすこの季節は
鬱陶しい程に眩しい月明かりが心を沈ませる
私が一向に変われない理由を
変わり行く四季のせいにして私は夢を謳う
此処が天国ならもっと楽だっただろうか
此処が地獄ならもっと辛かっただろうか
行き方も分からない地図に無い場所
私が死ねば行けるのだろうか
どちらでもない場所
何処へも行けないのかもしれない
目の前の今をまともに生きれない私に
他の場所なんてないものねだり
天国も地獄も此処に在る
誰しもが悪魔で狡猾なこの場所で
生気を吸い取られながら這うしかない
愛を語るには部品が足りなさすぎるんだ
ゆっくりと紅茶でも淹れながら
ひとつ、ふたつと見つけられるといいが
仮に失くしていた部品が見つかっても
私が錆びていたらその真新しい部品は
取り付ける事すら出来ないのだろうけど
私が私自身に悪趣味な首輪を繋いでいる
歩みだそうとする脚に枷をして
何かを掴もうとする手に錠をして
「外の世界は危ないから」と言い聞かせ
自分を可愛がれる環境から出さないように
怖いものを見ないように目隠しをして
怖い話を聞かないように耳を塞ぐくせに
すべてを窓の外の価値観のせいにする
可哀想な自分自身を可愛がるのに精一杯
数え切れない私の呼吸が終わりを迎える頃
私は何を考え暗く深い場所へ落ちるんだろう
と、考えながら奈落へ落ちていって
死んだ事にも気づかないまま繰り返す
止まない雨は無い事は分かっている
いつか止むんだろう、この雨も
雲の向こうはいつだって青空だ
傘を差して歩く事だってできるが
今、降っているこの雨にもう耐えられない
不確かな未来志向に自分を棚に上げて
現在を楽観視する事なんて此処では出来ない
「卯の花腐し降る此処は浮世」と願い続けた
そう、ただ願い続けただけだった
叶う事はないと初めから知っていたのに
他人から得た社交辞令な自分への評価や
自分が勝手に作り上げた長所や短所
それはあなた自身ではなく
あなたのマスコットキャラクター
心の奥深くにいるあなたは鼻で笑ってます
自分の深層心理こそが最も距離を縮めるべき相手
鏡に向かって「おまえは誰だ」って
何回も問いかけるといいかもしれません
噂ではそれを何度も繰り返すうちに
精神が崩壊するらしいですけどね
崩壊したら是非教えてください
その頃には私も死んでいるでしょうし
どちらにせよ私には関係の無い話ですけどね
