第9話 朝ごはんだよっー!
窓から入ってくる朝陽で目が覚めた。
目をごしごしこすり、とりあえずベッドから起き上がる。
今は、何時だろう?
ステータスで確認する。
6時50分と表示されていた。
「顔洗って、歯磨きしたら、朝食の時間の07時にちょうど良いね」
パジャマを脱ぎ、洋服に着替える。
ズボンとシャツのシンプルな格好。
階段を、降りてお食事処を通る。
「おはよう。こゆきちゃん」
「あいがみさん。おはようございます」
ミアちゃんの朝から快活な声と、昨日のチョーカーの女の子の声がする。
「おはよう。ミアちゃんと、、、」
「リリーです」
「おはよう、リリーちゃんね。よろしくね」
「はいっ」
「じゃあ、顔を洗ってくるね」
「はーい。行ってらっしゃい」
「行ってらっしゃいです」
宿をでて、庭にある井戸に向かう。
扉を開けて、外に出て思ったが、まだシャツ1枚では冷えるね。
昨日のお昼は暖かかったから、油断していた。
『パシャパシャ』
『ゴシゴシ』
『ふきふき』
顔を洗い、歯を磨き、顔と手を街なかで買った布で拭く。
少し、眠気があったけど、冷たい井戸水で完全に目が覚めた。
「やっぱり、吸水性が悪いと不便だね。雑貨屋の人は、おすすめって言って売ってくれたけど、この異世界の人たちは、これを使ってるってことだよね?」
後で、ミアちゃんとリリーちゃんにそこらへんの布事情について話しを聞いてみよう。
〜朝食〜
テーブル席に座る。
昨日の夜に比べてお食事処は、静かだった。
リリーちゃんが持ってきた朝食のメニュー表を見る。
今回もABCから選んでいく。
「ゆるふわバードの塩焼きのサンドイッチとシャキシャキレタスンのサラダ、ジャガイモンのスープでお願いします」
注文を聞きに来た、リリーちゃんに告げる。
「はいっ、かしこまりました。ゆるふわバードの塩焼きのサンドイッチとシャキシャキレタスンのサラダ、ジャガイモンのスープですね」
「うん。よろしくねー」
〜5分後〜
「一緒に食べていい?」
トレーに料理を乗せて、ミアちゃんが運んできた。
僕の分とミアちゃんの分とがあるみたい。
「うんっ、いいよ」
「いただきます」
「どうぞ、召しあがれっ」
ミアちゃんと一緒に朝食を食べる。
『はむっ』
ゆるふわバードの塩焼きのサンドイッチをひとくち食べる。
焼きたてのパンに焼きたての鶏肉がとても美味しい。
『シャキシャキ』
シャキシャキレタスンのサラダをフォークで食べる。
かかっているのは今日も塩のようだ。
夜食べたサラダと同じで、みずみずしくて美味しい。
『ゴクゴク』
ジャガイモンのスープを冷やして、口に含む。
柔らかなじゃがいもんが美味しく、身体があたたまる。
「どーう?おいしい?」
「うんっ、美味しいよ、ミアちゃん、料理上手だよね」
「ありがとう。お母さんに小さい頃から修行させられたからね、今では、ひとりで宿を持てるまでになったよ」
「そうなんだー。お母さんが料理上手だったんだね」
「うんっ。国の料理長を任せられてたこともあるって言ってた。今は、城下街でお父さんと一緒に宿屋をしてるけどね」
すごいな、ミアちゃんのお母さん。
「へぇー。すごいんだね」
「あっ、話は、変わるけど。これ、いくらなら買いたいと思う?」
井戸の前で新たに購入した、ハンカチ白色2つのうち1つをミアちゃんに見せる。
「これは、昨日、こゆきちゃんが、お風呂場で使ってた布だね。触っても良い?」
「うんっ、良いよ」
ミアちゃんに手渡す。
「これは、すごいね。肌触りが私の知ってる布に比べて全然違うよ。これなら1万円、いや貴族様なら30000円でも買うんじゃないかな?」
昨日購入した2000円の布と同じサイズのハンカチ。
「そんなに高く売れるんだね」
「どこかに、売りに行くの?」
物欲しそうにハンカチを見るミアちゃん。
欲しいのかな?
「商業ギルドに売りに行こうと思ってるよ」
「そうなんだー。良かったら、売ってくれない?」
「良いよー。2つまでしか、売れないけど大丈夫?」
残高0円だから、それ以上今は買えない。
「ほんとに、良いの?ありがとう。嬉しい」
満面の笑顔のミアちゃん
「値段、どうしよっかな。1つ銀貨5枚(5000円)でどうかな?」
「そんなに安くて良いの?こゆきちゃん大丈夫?」
「うんっ。大丈夫だよ」
500円で買ったものを5000円で売るから10倍なんだよね。
むしろ、ありがとうございますって感じだよ。
「はいっ、大銀貨1枚ね」
ミアちゃんは、受付のところに行き、お金を、とってきて、僕に手渡す。
お金を受け取り、ハンカチ白色2つを寄越す。
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