第5話 洋服を買うよー!
〜キュート街の門所〜
「こんにちは~身分証作ってきましたー!」
大金を手に入れて、ルンルン気分で、騎士さんに会いに来た。
「こんにちは。はいっ。身分証を確認いたしました。あいがみさん。ご機嫌ですね、どうかしたんですか?」
女性の騎士さんが、話しかけてくる。
「はいっ、思ったより売り物が高値で売れたので、懐があったかいんです。今から、洋服を買いに行こうかなと思っています」
「それは、良かったですね。もし、良かったら、一緒に洋服を買いに行きませんか?ちょうど私も仕事が終わりますので」
「はいっ、お願いします。ついでに、この街のことを教えていただけると嬉しいです」
「じゃあ、行きましょうか。あいがみさん」
「こゆきで大丈夫ですよ?」
「分かりました。じゃあ、私のこともアップルとお呼びください」
「こゆきちゃんは、何歳ですか?」
「18歳です」
「アップルさんは、おいくつですか?」
「私も18歳です。同い年ですね」
「そうですね、良かったら、敬語やめませんか?」
「そうだね。私もそっちのほうが楽かな、こゆきちゃんも敬語辞めてね」
「うんっ、よろしくね。アップルちゃん!」
〜洋服屋〜
アップルちゃんが一旦着替えるために帰るということで、宿舎まで付いていった。
着替え終わって、宿舎から出てきた、アップルちゃんの格好は、清楚に見える白のシャツにスカートを履いていて、女の子らしい可愛い格好だった。
スカートは、フレアスカートというもので、紅色の無地でふんわりと膝下が見えるほどの長さのスカート。
アップルちゃん、膝下も美人だった。
鎧越しに見た際は。わからなかったが、胸は豊満のようで、Eカップほどの膨らみがあった。
引き締まるところは引き締まっているので、ボンッキュッキュといった感じ。
「いらっしゃいませ。こんにちはー!」
宿舎を出てから、何故かアップルちゃんと手をつないで洋服屋さんまで歩いた。
女の子同士で手をつなぐあれだ。
「「こんにちは~」」
辺りを見回す。
男性物が右側、女性物が左側に陳列してある。
僕は、もちろん、右側の男性物に向かって歩く。
「こゆきちゃん。女の子の服はこっちだよ?」
手を引っ張られて、女性物エリアに連れられる。
あのー、やっぱり、男の子って思われてない?
うんっ、分かっていたよ。
普通、今日会った男の人と手をつないだりしないもんね。
「アップルちゃん、僕、男だよ?」
「えっ?またまたー。こゆきちゃん、冗談言っちゃって」
「ほんとだよ?」
「えっ、じゃあ、ついてるの?」
女の子として、その発言はどうかと思う。
「ついてるよ」
「まぁ、大丈夫だよ。こゆきちゃんなら、可愛いからスカート履いても。門のところで一緒に働いてた騎士の先輩たちも、こゆきちゃんのこと、女の子って思ってたし。とても、可愛いって言ってたよ?」
可愛いと言われるのは、別に嫌いじゃないから素直に嬉しい。
「せめて、ズボンにしてほしいな。男の子なのに、普段からスカート履いていたら変態だと思われちゃう」
「えー、じゃあ、一着だけ、一着だけスカートにしよ?後は、ズボンで大丈夫だからね?」
「やだよー」
「店員さーんこの子可愛いですよね?どれが似合うと思いますか?」
アップルちゃんが、女性の店員さんを呼んで、僕が着るのに何が似合うかを聞く。
「はいっ、とても可愛いです。小動物みたいです。そうですねー。長いスカートも似合いそうですし、スタイルも良いから、短いスカートを履いて足を見せるのもありですね」
「この子、男の子なんですよ?」
アップルちゃんが、店員さんに、そう告げる。
「えっ?まさかー!お客様嘘ですよね?」
「ホントです。僕男です」
「えっー。じゃあ、スカート買われないですか?お似合いだと思いますのに」
「ですよね?ほら、こゆきちゃん、スカート買うよ」
「やだよー。」
「分かりました。スカート半額にさせていただきますので1着だけ買ってください」
店員さんが、嬉しいことを言ってくれた。
そこまで言われたら不思議と買うしかない気がしてきた。
半額とか、割引、セールには弱いんだよ。
〜洋服屋と雑貨屋にて購入後〜
「ありがとうございましたー。またおこしくださいませ」
結局スカートは、ひらひらで可愛いプリーツスカートを購入した。
アップルちゃんとお揃いだよ。
オソロコーデだよ。
パジャマを2着とズボンを3着、シャツを3着。
パンツと靴下を3着ずつ購入した。
身体を拭く用の布を3枚、歯ブラシっぽいもの(木の繊維を柔らかい房状にしたもの)と、歯磨き粉っぽいものも購入したよ。
宿屋には、お風呂があるみたいなので、石鹸を購入した。
石鹸1つ3万円もした。
高いよー。
合計9万円使ったから、残金は1万円。
「じゃあねー、こゆきちゃんっ。また買い物行こうねー」
アップルちゃんが、笑顔で手を振る。
夕陽がきれいだ。
「うんっ!ばいばぁーい」
アップルちゃんを宿舎まで送った。
『さぁ、ミアの宿屋に向かおうかな』
宿舎に行く途中で、ミアの宿屋の看板を見つけてある。
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