第23話 出会いは唐突にだよー!
「すみません、そちらは、どの様な商品を売っているのですか?」
僕は、乱暴な男に聞く。
105番の場所には、あれから時間が経っているにも関わらず、売り物になりそうな品は置かれていない。
5人のチョーカーのついた女の子が立っているだけ。
「あぁん?見たら分かるだろ?奴隷だよ奴隷」
僕に対して態度が悪い男。
まったく、これは舐められているね。
僕のこと、女の子だと思っているからかな?
男の言葉を聞いて、奴隷の女の子達を改めて見ると両手で木の板を持っていた。
前かがみになり、女の子達の持っている木の板を見る。
文字と数字が彫られていた。
黒色のチョーカーの女の子4人が、『だいきんか 3まい(300万円)』紫色のチョーカーの女の子が『きんか5まい(50万円)』
「お祖母ちゃん、このバザーで、奴隷売っても大丈夫なの?」
お祖母ちゃんに聞く。
「それは、大丈夫さね。売っても問題はないよ」
「そうなんだー。因みに、黒色と紫色のチョーカー?ひもだったね、ひもの違いってなにかな?」
「黒色のチョーカーは、仕事奴隷いわゆる通常奴隷さね。そして、紫色が犯罪奴隷、ここにはいないけど赤色は戦闘奴隷さ」
「わかったー。教えてくれてありがとう、お祖母ちゃん。お礼にこの石鹸あげるね」
お祖母ちゃんにいちごの香りの石鹸を上げる
「いいのかい?石鹸は高級品だし、この香りはイチゴンさね、香り付きの石鹸なんてわたしゃ、聞いたことないよ。高いんじゃないのかい?」
「大丈夫だよ。お祖母ちゃん、心配してくれて、ありがとう。気にせずにもらって、教えてくれたお礼だからね」
遠慮する、お祖母ちゃんに、渡す。
「ありがとう、それじゃありがたく貰おうかね」
「それで、お金さえ払えば、その子達は誰にでも売るんですか?」
乱暴な男の方を向き問いかける。
「当たり前だろうが、常識をわざわざ聞いてくるんじゃねぇ、鬱陶しい」
煩わしさを隠そうともせずに僕の対応をする男。
「それじゃあ、その子達を買い取ります」
僕はストレージから全額だす。
1134万100円分の貨幣をだす。
「おい、嬢ちゃん、足りねぇけど、どれを買うんだ?」
確かに、116万円ほど足りていない。
困ったね。
「さぁ、こちらですよ。王女さま」
ソフィーちゃんの声に似た声がする
「あっ、おばあさま、何してるのですか?」
「見ての通り、ハンカチを売っているさね。エリスはどうしたのさね?」
「バザーの射的?で良い商品を見つけたんですわ。なのですが他の人に先にとっていかれてしまったんですわ。残念に思っていると、こちらの商業ギルドの方が、同じものを売っている人を知っていると教えてくれましたの」
「それで、着いてきたのさね」
「ですわー」
ですわーの口調の、女の子。15歳くらいの子が、僕の商品の前に立つ。
ってか、この子もしかして、王女様?
ソフィーちゃんが、そう言っているならそうだよね?
隣には執事みたいな人とメイドさんもいる。
少し距離を開けて、騎士もいた。
多分、僕には気づけないけど、影で見守っている護衛もいるんだろうね。
「これですわ、これですわー」
いちごの香りの石鹸を手に取り、るんるんと嬉しそうな表情をする王女さま?
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