第22話 おこ!
バザーの許可証を申請しに商業ギルドに向かった。
「こゆきちゃーん、こっちこっち」
僕に気づいたソフィーちゃんが手招きしてくれる
「ギルドマスターに聞いてみたら、射的?の専売特許権の購入許可もらえたよ。金貨1枚(100万円)なんだけど大丈夫かな?少ない??」
金貨を1枚置いて聞いてくるソフィーちゃん。
「大丈夫だよ。それで、なにか、書類にサインとかしたほうが良いのかな?」
充分過ぎるお金だよ。
「うん。お願いしますぅ」
ソフィーちゃんが、薄く汚れた羊皮紙を取り出して、僕の前に出す。
『あいがみ こゆき』とサインして、金貨1枚(100万円)をいただく。
「商業ギルド、儲けは出るの?すぐには結果でないんじゃない?石を当てたら景品を渡さないといけないし、落ちないようにこっそり固定したりしたらお客さん減ると思うよ?」
ソフィーちゃんのことが心配なので、聞いてみた。
「こゆきちゃん、それはね。商業ギルドが主催で射的をする→他の商会や商人が真似をする。そしたら、この専売特許の詳しい決めごとの書類を見せて、真似をするんだったらお金を支払うように言う→商業ギルド儲かるという仕組みになるんだよ。この専売特許の申請書を役所に出しておかないと意味がないんだけどね、このあと速やかに持っていく予定なの」
ソフィーちゃんが、小声で僕に話す。
なるほどね。
流石、副ギルドマスター、ソフィーちゃん、しっかりとちゃっかりしてるよ。
「ソフィーちゃん、バザーについてなんだけど、バザー出店の許可証もらっても良いかな?」
「うんっ、大丈夫だよ。どういうのを売るのか、どれくらい商品の数があるのか記載をお願いしますぅ」
ソフィーちゃんが、とりだした、紙に必要事項を記載する。
「石鹸売るんだね。こゆきちゃんの石鹸だったら、良品そうだね。私も、射的の店出し確認できたら、あとで顔出すぅ」
バザーの出店して良い場所の番号の書かれた木の札を受け取る。
「うんっ、これよかったら射的の景品にして、いちごの香り付きの石鹸だよ。じゃあ、また後でねー!!」
いちごの香り付きの石鹸をソフィーちゃんに渡す。
104番と彫られた木の札を持ち、商業ギルドをでで、中級層エリアのバザーが行われている広場に向かった。
〜バザー広場到着〜
「よろしくお願いします」
僕が、あてがわれた場所の両隣で出店している人に挨拶に回る。
「こちらこそよろしくさね」
右隣には、おっとりした喋り方のお祖母ちゃんが、いた。
お祖母ちゃんの出品している物は、きれいなハンカチ。
高級そうだ。
なのに、値段もお手頃価格。
バザーの掘り出し物といった感じかも。
「良い品ですね。なぜ、そんなに安いんですか?」
つい聞いてしまう。
気になったんだから仕方ないよね?
「これは、趣味で縫って作ったんだよ。お年寄りの楽しみの1つさーー」
お祖母ちゃんが、手にしたハンカチを広げ僕に見せてくれたあと、きれいにたたみ直す。
少し、世間話をして、左隣を確認する。
地面に番号が書かれているだけで、まだ、出店者はいないみたい。
自分の出店場所へと戻り、石鹸をピラミッド型に並べる。
興味を引くかな?と思ったからで、特にこうしたほうが売れるからとかいう知識のもとにしたわけではないよ。
「さっさと歩かんか」
大きな声が聞こえ、声のした方を向くと、男が紫色のチョーカーのついた女の子を蹴飛ばしているところだった。
『ガシャンッ』
僕の並べていたピラミッドが崩れ落ちる。
いわゆる、石鹸が崩れ落ちる。
がんばったのになー。
地味にショックを受ける。
「すみません。。。」
僕に言っているのか蹴飛ばした男に言ってるのか分からないが謝罪の声が僕の耳に届く。
僕は、その女の子を起き上がらせようと手を伸ばす。
「人の売り物に手を触れるんじゃねぇ」
乱暴な声を上げ、男が僕の手を叩きはじく。
『ムカッ』
ちょっと、イラッとした。
おこだよ?
女の子への扱いもそうだし、僕の手をわざわざたたく必要もないよね?
口で言えば伝わるって、まったく困った男だね。
「ほら、さっさと、立ち上がれ」
崩れ落ちる女の子を乱暴に掴み、立ち上がらせる男。
「はい。。。ごめんなさい。。。」
か細い声で謝る女の子。
服は、薄汚れた茶色で、ところどころ破けており、服と言っても良いのか疑問な姿。
長い紫の髪は、ぼさぼさで、栄養が足りていないのか顔色も悪く感じられる。
腕や足は細く、強く握ったら折れてしまいそうだ。
「あのー」
注意しようと話しかける
「なんだ?あぁん?」
男が、挑発してくる。
「いや、何でもないです」
ここで、注意したところで女の子の扱いが改善される保証もないし、逆に悪化する可能性もあるね。
そう思い、注意するのを止める。
右隣にいるお祖母ちゃんは、じーっと男の顔を見ている。
無言の圧力を与えているのかな?
その男は、僕の左隣の105番のバザー場所であった。




