第16話 こうげきまほうー!
冒険者ギルドを後にした。
オジサーさんとの話も終わり、振り向き出口に向かって歩いていると周りにいた複数の女性冒険者さんに可愛いと抱きしめられたりした。
抱きしめられる際に、おっぱいに顔をうずめる形になってしまった。
おっぱいおっぱいって感じだったよ。
窒息死しそうだった。
異世界に来て、1番の命の危険を感じた瞬間だった。
僕のことを女の子と思って好きっぽい?話をしていた人に『ほんとに男ですか?』と聞かれ、『そうですよ。触ります?』といって、男性の手を取り、僕のない胸を触らせると、顔を『ポッ』と赤くして去っていった。
もーう。完全に僕、女の子みたいな扱いになってるじゃんかー。
困っちゃうよー。
〜ミアの宿屋〜
「ただいまー」
「お帰りー」
宿屋のドアを開けると、ミアちゃんが、部下の店員の子に料理を教えているようだった。
「ミアちゃん、今日は帰ってこないんだけど、お金払うから205号室、そのまま使わせてもらっても良いかな?角部屋気に入っちゃって」
「こゆきちゃんが、良いなら私は構わないけど。お金払ってくれるならなおさらね。それで、夜ご飯はどうする?食べる?」
「どうしようかなー。何か入れ物に、入れてもらったりできないかな?」
うさちゃんと、とりちゃんと一緒に食べたいからね。
「それなら大丈夫。普段は容器のレンタル代としてお金取るんだけど、こゆきちゃんには、サービスで無料で良いよ」
「ありがとね。ミアちゃん。あのA欄のメインとC欄のスープはいらないから、全部サラダにしてもらえるかな?」
「りょーかーい。じゃあ、すぐに準備するね」
「はーい、お願いします」
お弁当?を待っている間に、スマホを開きShoppingのカテゴリー欄を見る。
因みに、歩きスマホはしない。
異世界だからね、とっさに、刺されたりするかもだし、危ないから、歩きながらスマホはしないよ。
テントのマークが増えていた。
【キャンプ道具 レベル1】
火起こし器 『2000円』
説明→摩擦熱で着火できるマイギリ式の火おこし道具です。
火種棒が3本付属しています
マッチ 10本入 『10000円』
キャンプ用テント『100000円』
説明→2人用のコンパクトサイズテントです。
組み立て、設定が簡単です。
円筒形で直径 15cm / 長さ 60cmです
『あー、やっぱり、毛布とか、BBQグリルとか、ガスバーナーはでてないね。レベル1だもんね。そんなもんだよね』
「お待たせー」
容器に入ったお弁当を、テーブルの上に置くミアちゃん。
「ありがとう」
「お弁当持ち運びやすいように、布袋に入れる?」
「あっ、大丈夫だよ。収納魔法あるから」
やっぱりと行った顔をするミアちゃん。
「やっぱり、収納魔法持ってたんだね、洗濯物置いてくるときに部屋に入ったんだけど、荷物なかったから、アイテム袋も持ち歩いているようじゃなかったし」
「うん。それで、話は変わるけど、使ってない毛布とかないかな?ちゃんと、お金は払うからさもらえると嬉しいな」
まだ、朝夜は冷えるからね。
昼も温かいけど風は強いし。
毛布がないと野宿では困ると思う。
「少し、破けているけど大丈夫?洗濯はしてあるから、汚くはないよ。」
ミアちゃんが、近くにいたリリーちゃんに『ちょっと持ってきてくれる?』とお願いする。
「それでー、こゆきちゃん、どっか出かけるの?遠くじゃないことは、推測できるけど。野営の練習とか?」
女の子って、勘が鋭いよね。
気づいていても言わないだけのときもあるから、注意が必要だよ。
気づいてないと思って、調子に乗ってたら痛い目を見るよ?
「うん。野営をする予定。しっかり、冒険者ギルドで火をおこす道具と寝床のテントも買ったよ」
「水は買ってある?もし、あれだったら、井戸水を容器に入れて持ってく?それか、うちのリリーを連れて行っても良いよ?水魔法使えるから飲料水という名目ならできるよ。攻撃魔法は、ランクEからだからまだ使えないけどね」
リリーちゃんは、水魔法がつかえるみたいだね。
それに、ランクEから、攻撃魔法になるんだね。
ゆき魔法も同じかな?
「持ってきました」
リリーちゃんが、両手に持って、少し穴の空いた毛布を持ってきた。
小さな穴がいくつかあるくらいだ。
「こゆきちゃん、これくらいの穴が数点あるんだよね。前にきたお客さんが、寝ながらたばこ吸ったみたいでね」
呆れた様子のミアちゃん。
「ありがとう。お金はいくら払えば良いかな?もしあれなら、石鹸でも大丈夫だよ」
スマホを片手に動かしながらミアちゃんと話す。
「えっ?いいの?高級品と交換でも」
「いいよ、じゃあ、ミアちゃんには2つ渡すね。これが身体用で、こっちが頭用ね」
うふふー、と喜ぶミアちゃん。
【美容品 レベル1】
石鹸 身体用 『1000円』
石鹸 頭用 『1000円』
で購入。
「リリーちゃんには、ミアちゃんにあげたものより品質は下がるし使いかけで悪いんだけど、石鹸あげる」
流石に、ご主人であるミアちゃんと同じものを上げるのはだめな気がしたので、劣化品に感じる、街中で購入した石鹸を渡す。
「あっ、ありがとうございます。従業員のみんなで、使わせてもらいます」
喜ぶリリーちゃん。
僕との会話が、聞こえていたのか、チョーカーをつけている他の女の子達も僕に頭を下げていた。
さぁ、そろそろ、うさちゃんのところに行こーう
☆所持金 75万3100円くらいかな?☆
お読みいただきありがとうございます




