第10話 2日連続の商業ギルドだよっー!
サブタイトル『調味料屋のおじさん』
ハンカチ白色『500円』を20枚、Shoppingで購入して、商業ギルドにやってきた。
全財産使い切ったけど、ミアちゃんの喜びようを見たら、売れると思ったし大丈夫だよね?
売れなかったら、今日泊まる宿屋のお金もないよ。
『あははー』
「おはようございます。ソフィアさん」
「あっ、あいがみさん、おはようございますぅ。聞きましたよぉ。アップルちゃんと、お買い物行ったみたいですね。良いなー」
何故知っているんだろうか?
「アップルちゃんと知り合いなんですか?」
「幼馴染ですぅ」
幼馴染なのか、世間って狭いね。
「ってことは、僕と同い年ですね。良かったら、こゆきってよんでください。敬語もいらないです」
「うんっ。わかったよ。こゆきちゃん。私のことも、ソフィーで大丈夫だよ」
ソフィーさんの僕への接し方がラフな対応に変わる。
「分かったー。ソフィーちゃん改めてよろしくねー」
「それで、今日も仕事の話?」
「うんっ、この布、ハンカチっていうんだけど、どうかな?」
ハンカチをストレージからだし、手に持ち、ソフィーちゃんに手渡す。
「こっこれは、非常に肌触りが、心地よいね」
「うんっ、吸水性も優れてるよー」
「試してみても良い?」
「いいよー」
ソフィーちゃんが、コップに入った水をテーブルに少しだけこぼす。
それを、ハンカチで、さらーっと拭いていく。
「すごく、吸い取るね。これなら高く買い取れるよ。商業ギルドじゃなくて、商会に売ればもっと高値になると思うけどどうする?良いところ紹介するよ?」
商会かー。
異世界物の小説でも、冒険メインじゃなくて、それがメインのものもあるよね。
「まだ、商会の紹介は良いかな。商業ギルドに売るほうが身の安全も確保できそうだし、ね?」
「うんっ、それは任せておいて。こゆきちゃんは、もう友達だからね。全力で守るよ」
女の子に守ると言われる男の子の僕。
「ありがとう。1枚いくらで買い取ってくれる?」
「何枚あるの?」
「20枚かな」
「1枚2万円でどぅ?商業ギルドは、他の商会との兼ね合いもあるから、高くは買い取れないんだよね。ごめんね」
「そうなんだね。大丈夫だよ2万円ね」
40万円分として、金貨1枚と大銀貨30枚を受け取る。
「ソフィーちゃん、話は変わるけど、この街の良い調味料屋教えて」
「そうねー。調味料屋なら、商業ギルドを出て、右に500mほど歩いたら、あるよ。おすすめは、塩かな。安いものから高いものまで扱ってるぅ」
「わかった、ありがとう。また来るねー」
「うん。ばいばぁーぃ。毎日来て大丈夫だよー」
「ばいばーい」
言われたとおり、500mほど歩くと、『ちょうみりょう』と書かれた看板を見つけた。
「いらっしゃいませー!調味料屋にようこそ」
元気な挨拶の、30代前半くらいのおじさんが店番をしていた。
「こんにちはー!塩置いてますか?」
「塩かい?もちろんあるさ」
指差された方を見ると、塩が各大きさの容器に入れてあった。
「この塩はいくらですか?」
一番小さな、高そうな容器に入った塩を指差す。
サイズは同じだが、容器が高そうなものから安そうなものがある。
「それは、100g入っていて、大銀貨1枚(10000円)さ」
「じゃあ、その塩を100gお願いします」
「はいよー!ちょっと待ってな」
「はーい!」
「おー!待たせたな。これが商品だ」
そんなに待つことなく、塩の入った容器に蓋をかぶせて、紐で縛った状態で手渡してくれるおじさん。
大銀貨1枚をおじさんに支払う。
「あのー、塩以外には、どんな調味料がありますか?」
「それなら、この店で他に扱ってるのは、砂糖だな、塩より、5割ほど高くなるが売ってるぞ。他の街の調味料屋なら、胡椒やはちみつも売ってるはずだ。だが、高いぞ」
砂糖買おうかな?
お金に余裕あるし、ミアちゃんに上げたら、料理のレパートリー増えそう。
あっ、その前に、Shopping確認しよーっと。
Shoppingに、調味料増えてたら、そこで買ったほうが安くなるからね。
【調味料 レベル1】
塩 100g 『1500円』
砂糖 100g 『2000円』
良かった。砂糖がある。
塩も、100gで8500円ほど安く買える。
日本のスーパーだったら1000g、300円くらいで買えるから、そう考えると、Shoppingで買うと高いんだけどね。
砂糖とりあえず10袋購入しよう。
『ポチッ』とな
「なるほどですね。あの、この砂糖買い取ってもらえるとしたらいくらぐらいになりますか?」
Shopping産の100gの砂糖を1袋だけ持ち、おじさんに見せる。
「んっ?きれいな白色だな。入れ物も初めて見る。少し舐めても大丈夫か?」
「はいっ。大丈夫です、こうやって引っ張ったら開きます。普通は刃物を使って開けますね」
「なるほど」
『ビリビリッ』
『ペロッ』
おじさんが、袋を破ったあと、テーブルの上に袋を置く。
そして、右手で木の小さめのスプーンを使い砂糖を掬い、左手に砂糖を乗せたあと、ぺろっと舐める。
「甘いな。これは、うちの商品のよりも良い品質だ」
味わうように、舐めながら感想を述べるおじさん。
「良かったです」
「1袋、大銀貨3枚(3万円)でどうだ?」
「うーん」
ちょっとした、いたずらしてみる。
「だっだめか?」
「もうひとこえー」
悪乗りする。
「わっ、分かった。銀貨3枚をプラスしよう」
「10袋売るので、もうひとこえー」
「お嬢ちゃん、やり手だな。分かった、さらに銀貨3枚プラスだ」
「どうしよっかなー、おじさんが、もう少し頑張ってくれたらなー」
いたずら心が、とまらない。
「負けたよ。お嬢ちゃん、1袋大銀貨4枚(40000円)だ。それ以上は、勘弁してくれ」
「わかりました。お願いします」
残りの10袋をテーブルの上に置く。
「確認するから、待っててくれ」
おじさんが、1つ1つ袋を、開けて小さめスプーンで味を確認する。
「待たせたな。10袋すべて品質も大丈夫そうだ。これが金だ、金貨で大丈夫か?」
「はい。大丈夫です」
商業ギルドでハンカチを売ったときと同様、40万円を手に入れた。
金貨4枚でもらう。
「お嬢ちゃん、気をつけて帰れよー!また、良いもの手に入れたら、売りに来てくれ」
「はぁーい。ありがとうございますぅ」
おじさんの心配する言葉を聞きながら、店をあとにする。
最後、ありがとうございますぅと語尾が小さい『ぅ』になったのは、ソフィーちゃんの喋り方が似てしまったのかも。
一緒にいると似るって言うし(笑)
お読みいただきありがとうございます!




