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第一話ただのしがない魔法少女ですが Bパート

 陽炎を抜けた先は、さっきまでの商店街とは変わらない。

 けれども…… 

 路地を抜けると、そこはさっきまでいた私の知る街じゃなかった。

 絢ちーと行くゲームセンターも、まりりんとおしゃべりする喫茶店も、お母さんと行くスーパーも、それだけじゃなくて私の知るすべての風景が、モノクロで風化していた。

 建物はひび割れ、ガラスは破られ、道路は裂けていた。

「……っ」

 何度この風景を見ても、私はなれない。

「琴音」

 私の傍らに立つシロの声で我に返る。

「うん、わかっている」

 建物の影からこちらをうかがうように、無数の目が見ている。

 私が視線を向けると、影は唸り声をあげて視線をそらす。

 ぐるりと辺りを見渡して、

「囲まれている」

 周囲を睨みつけてけん制しつつ、右腕に武器を出現させる。

 この世界に名前はない。 

 だから私とシロは『境界』と呼んでいる。

 現実の世界でありながら、別のものが混じるこの世界はまさに『境界』のようだった。

 そして、ここの住人達。

 それが、いま私たちを囲んでいる影に潜む者たち、『幽魔(ゆうま)』だ。

 幽魔たちがなぜこの世界にいるのか、彼らが人間を狙うのか、それはわからない。

 だけど、幽魔たちは人間の心と記憶を餌にしているのは知っている。

 心と記憶を()べられた人間は目に何も映さず、言葉も発しなければ自分から行動を一切起こさなくなる。

 私はそうなってしまった人々をたくさん見てきた、私はまだ中学生で難しいことはわからないけど、廃人になってしまった人々を見るのはいやだ。

 そして、私には幽魔を倒すための力がある。

 シロはこの世界ではない別の世界からこの世界を守るために、ここにやってきたらしい。

 私はシロと契約することで幽魔を倒す力を得ることができた。

 境界に入る力、そして幽魔を倒すための右手に現れている武器。

 それと、幽魔の攻撃から身を守る服。

 その服が、白の基調として要所要所に薄いピンクの模様をあしらったドレスみたいなものなのだ。

 いわゆる魔法少女のいでたちで、やることも世界を悪い怪物からまもる、魔法少女の仕事そのものなのだ。

 正直、だれか知り合いにみられると恥ずかしい。

 シロ曰く、私のこの姿は境界で力を発動させるための私自身のイメージらしい。

 つまり、この魔法少女の姿は私が望んだ姿ってことだ。

 確かに、シロからこの話を聞いたとき真っ先に魔法少女を思い浮かべたけど……

 まあ、私がこの姿なのはそれだけじゃないんだけど。

「琴音」 

 シロがもう一度声をかけてくれた。

「うん」 

 私は右手の武器、パイルバンカーを構える。

 どうして魔法少女の武器がこれなのかは、いまいちわからない。 

 この武器も私のイメージが作っているらしいけど、さすがに魔法少女でパイルバンカーはあり得ない。

 シロはどこかで私のイメージがゆがめられたとか言っていたけど、今は全然気にしていない。

 なれると結構戦いやすいんだよ?

 杭を装填するする重い音が響くと同時に、幽魔達が一斉に私に襲いかかてくる。

 


Bパートなので、Aパートの投稿日と同じ日に投稿する予定が、大幅に遅れてしまいました。すいません


第2話はまだ未定ですがなるべき早くに上げるので気長に待っていてください。

おそらく、戦闘パートです


次回第2話『白の杭姫』でお会いしましょう


でわ

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