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ぐるぐるぐる。

作者: 水無瀬 雫

ぐるぐるぐる。

「アイ」って言葉がこの世の中にはあるよね。

でも「アイ」って何なんだろう。

わたしにはみんなが言う「アイ」なんてわからないわ?


ぐるぐるぐる。

世の中に「アイ」があるって言うんなら、

誰かわたしに教えてくれたっていいのに。

それはうつくしいものだと聞くわ?

それはすばらしいって聞くわ?

でもなんで?

なんでわたしの前にはあらわれてくれないの?

それはわたしがわるいこだから?


ぐるぐるぐる。

ぐるぐるぐる。

つまるところね、やっぱり「アイ」っていうのは

自分自身に対する感情なんだよ。

「アイ」は「I」に向けられる感情であって、

それ以上でもそれ以下でもないの。

誰もわたしを愛してくれないのは、

わたしがわるいこなんじゃなくて

「アイ」がもともとそういうものだからって……。


ぐるぐるぐる。

ほんとはね?わかってるんだ。

わたしの考えが間違っていることも、

セカイには「アイ」がたくさんあるってことも。

わたしは「アイ」を感じてみたい。

だけどそれはかなわないことなの。

だってわたしはそういうこだから。


ぐるぐるぐる。

ぐるぐるぐる。

ぐるぐるぐる。

だから今日も私はこうして――自分自身を騙し続けるの。

「アイ」は「I」。

わたしは、ぜんぜん好きじゃない「I」を「アイ」しながら。

ごまかしながら生きていくの。


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