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滅国の魔女は、国をつくる

掲載日:2026/03/25

挿絵(By みてみん)

霧深い森の最果て。そこには、地図に載っていない「国」がある。

「モンスター」と呼ばれ、冒険者の剣に怯え、経験値という名で命を刈り取られてきた者たちが、最後に辿り着く安息の地だ。


「……よし。もう、大丈夫だよ」


育生の魔女が優しく手をかざすと、翼を折られた小型の飛行モンスターの傷が、柔らかな光に包まれて塞がっていく。彼女の魔法は、攻撃のためではない。ただ、失われた生命力を補い、成長を促すための慈しみだ。


傍らでは、調律の魔女が静かに目を閉じていた。

彼女が奏でる見えない波長が、新しくスカウトされたモンスターたちの警戒心を解いていく。人間への恐怖、同族への敵意。それらが「調律」され、この庭に馴染む穏やかな精神へと整えられていった。


「あいつらが、来たな」


偵察役のスカウトモンスターが、鋭い咆哮を上げた。森の境界線に、名声を求めてやってきた人間の冒険者たちが姿を現したのだ。彼らにとって、ここは「珍しい素材の宝庫」に過ぎない。


だが、スカウトされたモンスターたちが戦いに出ることはない。

彼らはこの「家」を守るために、自らの特性を活かして迷路を組み、霧を出し、侵入者の足を止める。それは「殺すため」ではなく、自分たちの生活を「侵させないため」の知恵だ。


そして、空が震えた。


「――出番だよ、人造ドラゴン。我らの家族に、指一本触れさせるな」


魔女の声に応え、格納庫から巨大な鋼の影が飛び出した。

それは生物ではない。血も流さず、恐怖も感じない。ただ「守る」という目的のために造られた、圧倒的な力の結晶だ。


人造ドラゴンの咆哮が森を震わせ、属性を付与された極大のブレスが地平線を焼き払う。それは残酷なまでの拒絶。生身のモンスターたちに血を流させないための、冷徹な守護。


圧倒的な力を見せつけられた冒険者たちは、腰を抜かして逃げ出した。

それを見送ることなく、ドラゴンは再び静かに空を旋回する。


静寂が戻った庭で、傷の癒えたモンスターが育生の魔女の指を甘噛みした。

強くなるのは、誰かを支配するためじゃない。

ただ、明日もこの穏やかな陽だまりの中で、大切な者たちと眠りにつくため。


それが、この「モンスターの国」の、たった一つの、そして絶対のルールだった。


INTRODUCTION

勇者と魔王、そして人間、エルフ、獣人たちなどが覇を競う、戦乱の世界。

その混沌の只中に、ある日突然、強大な「モンスターの国」が出現した。


建国者は、かつて最弱の種族・人間のために巨大な王国を築きながらも、彼らのあさましい謀略によって国を追われ、「滅国の魔女」の汚名を着せられた妖狐の少女、ようこ。


絶望の果てに彼女が至った結論は、他者への慈悲ではなく、完全なる拒絶だった。

「もう、あいつらとは関わらない。ここは、私の、私による、私のための国だ」


ようこは固有魔法『幻想魔法イマージナリー・リアリティ』を使い、想像のすべてを具現化する。

彼女が造り出したのは、世界を統べるワールドクラスの力を持つ、4人の「人造人間の魔女」たち。


軍を統べ、戦力2万8千の戦略級人造ドラゴンを操る「軍の魔女」。


主のために有用な魔物を見極め、スカウトする「スカウトの魔女」。


魔物を守り、傷を癒やし、育む「育生の魔女」。


国の物理的な障壁と、完璧な衣食住を管理する「住処の魔女」。


平均戦力100のこの世界において、彼女たちの戦力は2万を超え、勇者(戦力200)や魔王(戦力300)すら、彼女たちの「庭」の静寂を乱す羽虫に過ぎない。


これは、世界に背を向けた最強の妖狐が、4人の魔女と共に築く、誰にも侵せない「至高の箱庭」の物語。



第2話 


優しいスカウトの日霧の庭に、柔らかな朝の光が差し込んでいた。ようこはオレンジのロングパーカーのフードを軽く被り、黒のミニスカートを翻して庭を歩いていた。

茶色いミリタリーブーツが柔らかな土を踏むたび、ロングパーカーの裾がふわりと揺れる。

その下に隠れた1本のオレンジの尻尾が、機嫌の良さを表すように小さく動いていた。

キツネ耳がピクピク動き、彼女は上機嫌で声を上げた。


「リリア~♡ 今日も新しい子、連れてきてくれたんでしょ?」


オレンジ色のロングヘアーを優しく風になびかせたスカウトの魔女・リリアが、森の奥から静かに現れた。


彼女の足元では、柔らかく太い蔓がゆっくりと動き、1匹の傷ついた翼竜型モンスターを優しく包み込んでいる。


「……はい、ようこ様。

 この子、森の外で冒険者に追われていました。翼が深く裂けていて……

 もう大丈夫だよ。ここは安全な場所だから」


リリアの声はいつも通り穏やかで真面目。

蔓の魔法は絶対に拘束できるほどの強さを持ちながら、傷ついた翼竜を痛めつけることなく、まるで母親の腕のようにそっと支えていた。翼竜はまだ幼く、青みがかった鱗がところどころ血に染まっていた。

ようこは目を輝かせてすぐに駆け寄り、両手を広げた。


「わあ……かわいいじゃない! 翼がちょっとボロボロだけど、もうここが君の家だよ♡」


彼女は迷わず翼竜を抱き上げ、頰をすりすりした。

ロングパーカーの裾が少しめくれ、隠れていた1本のふわふわしたオレンジの尻尾がチラッと顔を覗かせて嬉しそうに揺れた。そこへ、ふわふわのピンク髪を揺らした育生の魔女・マリアンヌが駆けつけてきた。


「あらあら~、この子、ずいぶん頑張ったのね。

 痛かったよね~。ママの治癒魔法で、すっかり元気にしちゃうから♪」


マリアンヌは母性本能全開の笑顔で手を重ねる。

柔らかな桃色の光が翼竜の傷を包み込み、失われた生命力を優しく補っていく。

傷が塞がるにつれ、翼竜の瞳に少しずつ安心の色が戻った。


「いい子いい子~。ようこ様と一緒に、明日もこの庭で空を飛べるようになるよ」


少し離れた場所で、黒髪ストレートの住処の魔女・シルヴィアが無言で地面に手を置いていた。

土魔法が静かに発動し、地面がゆっくり隆起して新しい「巣」の形を作り始める。

温かな岩と土でできた洞窟のような住処――翼竜が安心して休める、ちょうどいい大きさだった。


「…………完成」


シルヴィアの声は短く、低い。

しかし、ようこ様のために作ったものだと、わずかに目が柔らかくなった。そこへ、エプロンドレス姿の狐顔の男の子・キツネさんが、バスケットを抱えて元気よく現れた。


「ようこ様~! キツネさんが新入りさんのお祝いご飯を作りましたですよ~♡

 今日は柔らかくて消化のいい果実のペーストと、温かいお魚ですよ~!」


キツネさんは5本の尻尾を嬉しそうに振りながら、バスケットを広げた。

家事担当として、今日も箱庭の食事を完璧に準備してくれていた。軍の魔女・エレノアは少し離れた高台から扇子を優雅に広げ、微笑んで見守っている。


「ふふっ、新入りなどすぐに下賤な者どもに狙われますわ。

 私の歩兵型騎士たちで、万一の時はしっかりお守りしますけど……今日はスカウトの日ですものね」ようこは翼竜を抱いたまま、みんなを順番に見回した。


「リリア、蔓で優しく連れてきてくれてありがとう♡

 マリアンヌの治癒で元気になったね~。

 シルヴィアの土魔法で素敵なお家まで……キツネさんのお料理も最高!

 みんな、えらいえらい!」


彼女はリリアのオレンジロングを優しく指で梳き、マリアンヌの頭をナデナデし、シルヴィアの黒髪をそっと撫で、キツネさんの狐顔を両手で包み込んだ。

ロングパーカーの下で、1本の尻尾が嬉しそうにふんわりと揺れていた。すると、森の境界線で小さな物音がした。

中級冒険者の偵察隊が、こっそり近づいてきていた。ようこのキツネ耳がピンと立ち、パーカーの裾が少し膨らんだ。


「……また? もう、うるさいわね!

 エレノア、軽く威嚇してあげて!」


「仰せのままに。ふふっ、闇の霧で迷わせて差し上げますわ」


エレノアの闇魔法が軽く広がり、黒い霧が境界を覆う。

歩兵型人造ドラゴン数体が低く旋回し、火炎ブレスで足元を軽く焦がした。冒険者たちは


「あわわっ!」と慌てて方向感覚を失い、逃げ出していった。その間に、箱庭の霧の壁がゆっくりと広がり、新しい巣ができた分だけ住処エリアが拡張された。静かになった庭で、ようこは翼竜を抱いたまま、にこっと笑った。


「今日も守れたわね。

 新しい家族を迎えて……みんなで、この箱庭を少しずつ広げていこう?

 誰にも侵させない、私たちの国……♡」


翼竜が、ようこの指を小さく甘噛みした。

マリアンヌが「かわいい~♡」、リリアが優しく頷き、シルヴィアが無言で土を整え、エレノアが上品に笑い、キツネさんが「もっとご飯作りますですよ~!」


と尻尾を振る。こうして、モンスターの国は今日も穏やかに、

新しい家族を迎え、守りを固め、少しずつその境界を広げていった。


第3話 


軍の魔女の優雅な訓練箱庭の空が青く澄み渡る午後。ようこはオレンジのロングパーカーの袖を軽くまくり、茶色いミリタリーブーツで高台の地面を軽く蹴っていた。

ロングパーカーの裾が風にふわりと揺れ、その下に隠れた1本のオレンジの尻尾が、期待で小さく動き始めていた。

キツネ耳がピクピクと楽しげに動き、彼女は明るく声を上げた。


「エレノア~♡ 今日の訓練、派手にやってみせて!

 新しい拡張エリアの境界、ちゃんと決めてね!」


金髪の巻き髪を優雅に翻した軍の魔女・エレノア・ヴァルハラが、扇子をパチンと音を立てて広げた。


「ふふっ、ようこ様の仰せとあらば……当然ですわ。

 下賤な者どもに、我が軍の威光を浴びせるなど、褒美のようなものですもの」彼女は優雅に手を掲げ、闇魔法を発動させた。

黒い霧のような影が周囲に広がり、人造ドラゴンの格納庫を覆う。


「さあ、私の可愛い子たち……優雅に、華麗に、

 戦略炎熱魔法でこの森を焼きなさい。

 ただし、家族の庭は傷つけないように……ですわ♡」


空が大きく震えた。格納庫の扉が開き、巨大な鋼の影が三体同時に飛び出した。

戦略級人造ドラゴン――現代の核兵器に匹敵する戦略炎熱魔法を宿した、冷徹なる守護者。さらにその後ろから、十数体の歩兵型人造ドラゴンが地上に降り立ち、整然と並んだ。

彼らは鋼の拳と尾、翼を使った体術と、精密な火炎ブレスを得意とする忠実な騎士たちだ。エレノアが扇子を一振りすると、戦略級ドラゴンたちが一斉に口元に灼熱の光を溜め始めた。

闇魔法が加わり、黒い炎のヴェールが熱を包み込む。


「いきますわよ……『戦略炎熱・黒闇焦熱』!」


三体の戦略級ドラゴンが同時にブレスを吐いた。凄まじい熱の奔流が森の境界線を真っ赤に染め上げる。

核兵器並みの炎熱が地面を溶かし、残留する超高温の熱波が侵入者を長時間寄せ付けない拒絶の領域を作り出した。

箱庭の内部には一切の被害がない、精密にコントロールされた力だった。ようこは目を輝かせて手を叩いた。

ロングパーカーの裾が少しめくれ、隠れていた1本の尻尾が嬉しそうにふんわりと揺れた。


「わあ、すごい! エレノア、かっこいい~♡

 あの熱、完璧に境界に沿ってるじゃない!

 このまま新しい拡張エリア、決めちゃおうよ!」


エレノアは扇子で口元を隠し、上品に微笑んだが、頰がわずかに赤らんでいる。


「ふふっ……ようこ様に褒めていただけるなんて、光栄ですわ。

 私の可愛い子たちも、きっと喜んでいますのよ」


訓練の炎熱が収まると、住処の魔女・シルヴィアが無言で地面に手を置いた。

土魔法が発動し、溶けた地面が冷え固まりながら、自然な岩壁と新しい森の境界を形成していく。

箱庭の面積が、また少しだけ広がった。その時――森の外から、騎士団を思わせる中規模の冒険者集団が近づいてきた。


「炎が見えたぞ! あそこに強力な魔物がいるに違いない!」


と意気揚々と剣を構えている。ようこのキツネ耳がピンと立ち、パーカーの裾が少し膨らんだ。


「……また? もう、ほんとにうるさいわね!

 エレノア、軽く見せてあげて!」


「仰せのままに。ふふっ、下賤な者どもに、優雅な拒絶をお見せしましょう」


エレノアが扇子を一振り。

歩兵型人造ドラゴンたちが一斉に地面を蹴り、驚異的なスピードで冒険者たちの前に躍り出た。鋼の拳が空を切り、尾が風を裂く体術。

精密な火炎ブレスが足元を正確に焼き、逃げ道を塞ぐ。

戦略級の核兵器級炎熱は使わず、威嚇と足止めだけの制御された攻撃だった。


「ひ、ひぃぃっ!?」「ドラゴンが複数……!」


「撤退だ、撤退!」冒険者たちは悲鳴を上げ、腰を抜かしながら一目散に逃げ出した。訓練の余波で、境界線向こうに新しい開けた森のエリアが広がった。

シルヴィアが無言で土魔法をかけ、すぐに自然な風景へと整える。ようこは満足そうにエレノアの金髪を優しくナデナデした。

ロングパーカーの下で、1本の尻尾がくるくる嬉しそうに動いていた。


「エレノア、えらいえらい♡

 戦略級も歩兵型も、今日もよく頑張ったね~。

 強くなるのは、誰かを傷つけるためじゃないの。

 ただ、この箱庭で大切な家族と、穏やかに暮らすため……それだけよ」


マリアンヌがふわふわ笑いながら近づき、「ようこ様~♡」と抱きついてくる。

リリアはオレンジロングを揺らして優しく頷き、キツネさんが


「訓練お疲れ様ですよ~! おやつ作りますね!」と狐顔を輝かせる。

シルヴィアは無言で頷き、エレノアは扇子を優雅に閉じて「当然ですわ」と胸を張った。こうして、今日も箱庭は少しだけ広がり、守りを固めた。ようこはみんなを見回して、にこっと笑った。


「よし! 今日も守れたわね。

 みんな、えらい~♡ お疲れ様!」静かな陽だまりの中、モンスターの国は今日も穏やかに息づいていた。



第4話 


ママの甘い午後箱庭の中央にある陽だまりの広場。

新しく拡張された果樹エリアでは、甘い果実の香りがふんわりと漂っていた。ようこはオレンジのロングパーカーの裾を軽く翻し、黒のミニスカートを揺らしながらみんなの輪に入っていた。

茶色いミリタリーブーツが柔らかな土を踏み、キツネ耳がピクピクと楽しげに動く。

ロングパーカーの下に隠れた1本のオレンジの尻尾が、穏やかな午後の幸福を表すように小さく揺れていた。


「みんな~♡ 今日も元気? マリアンヌの育生エリア、すっごく綺麗になったね!」


ふわふわのピンク髪を揺らした育生の魔女・マリアンヌが、モンスターの赤ちゃんたちを両腕に抱えて駆け寄ってきた。


「あらあら~、ようこ様! この子たち、すくすく育ってるのよ♪

 ママの治癒魔法で、みんなぴかぴか元気! ほらほら、いい子いい子~」


マリアンヌは母性本能全開で赤ちゃんモンスターたちをぎゅーっと抱きしめ、頰をすりすりする。

治癒魔法の柔らかな光が果樹の木々にも降り注ぎ、実りを加速させていた。ようこは目を細めてマリアンヌの頭をナデナデし、赤ちゃんモンスターの一匹を自分の胸に抱き寄せた。


「かわいい~♡ 目がキラキラしてる!

 強くなるのは、誰かを傷つけるためじゃないのよ。

 ただ、明日もこの陽だまりで、みんなと一緒に果実を食べて眠るため……それだけだもんね」リリアがオレンジロングヘアーを優しく風になびかせ、蔓の魔法で果樹の枝をそっと支えながら穏やかに微笑んだ。


「……ようこ様。この果樹エリア、みんなの食料になるね。

 新しい子たちも、安心して食べられるよ」


少し離れたところで、黒髪のシルヴィアが無言で土魔法を操っていた。

地面から自然な灌漑用の溝と、岩のベンチが次々と形作られ、住処エリアがさらに快適に拡張されていく。そこへ、高飛車な声が響いた。


「ふふっ、こんな穏やかな午後に訓練など、優雅ではありませんこと?」


金髪の巻き髪をなびかせた軍の魔女・エレノア・ヴァルハラが、扇子を優雅に広げて現れた。

彼女の後ろには、十数体の歩兵型人造ドラゴンが整然と並んでいる。


「私の忠実な騎士たち……今日は軽い体術訓練と火炎ブレス演習ですわ。

 下賤な侵入者が来た時のために、箱庭の守りを固めておかないと」


エレノアが手を振ると、歩兵型ドラゴンたちが一斉に動き出した。

鋼の体がしなやかに回転し、尾や拳で仮想の敵を打ち据える体術。

その合間に、口から精密な火炎ブレスが連射され、的となった岩を溶かしていく。ようこは目を輝かせてエレノアに近づき、金髪を優しくナデナデした。

ロングパーカーの裾が少しめくれ、隠れていた1本の尻尾が嬉しそうにふんわり揺れた。


「エレノア、かっこいい~♡

 歩兵型の子たちも、動きがキレキレ!

 火炎ブレス、ちょうどいい温度で果樹を焦がさないようにコントロールできてるね。えらいえらい!」エレノアは扇子で口元を隠し、わずかに頰を赤らめながら胸を張った。


「当然ですわ。ようこ様の箱庭を傷つけるなど、私の軍にあってはなりませんもの」


その時、森の境界線からざわめきが聞こえてきた。

果実の匂いに釣られたらしい、ハンター集団が十数人、こっそり近づいてきていた。ようこのキツネ耳がピンと立ち、パーカーの下で尻尾がぴしっと伸びる。


「……また? もう、ほんとにしつこいわね!

 エレノア、歩兵型で軽く追い払って!」


「ふふっ、仰せのままに。

 私の騎士たち……優雅に、恐ろしく、拒絶しなさい」エレノアの闇魔法が軽く発動。黒い影が歩兵型ドラゴンたちを包む。

ドラゴンたちは一斉に地面を蹴り、鋼の拳と火炎ブレスでハンターたちの足元を焼き、逃げ道を塞いだ。

「うわあああっ!」「ドラゴンだ、しかも複数!」


「逃げろぉ!」ハンターたちは悲鳴を上げて一目散に逃げ出した。訓練の余波で、果樹エリアの向こうに新しい開けた草原が広がった。

シルヴィアが無言で土魔法をかけ、すぐに自然な牧草地へと整える。

箱庭の食料・遊戯エリアが、また少し拡張された。ようこはみんなを集めて、果実を手ににこっと笑った。

ロングパーカーの下で、1本の尻尾が満足そうにふわふわと動いていた。


「今日も守れたわね~♡

 マリアンヌの治癒でみんな元気、エレノアのドラゴンたちも頑張った!

 リリアの蔓で果樹を支えて、シルヴィアの土魔法でお家を整えて……

 みんな、えらいえらい! 大好きだよ~」マリアンヌが「ようこ様~♡」と抱きつき、リリアが優しく微笑み、シルヴィアが小さく頷き、エレノアが「当然ですわ」と上品に笑う。

キツネさんが狐顔を輝かせて「おやつも作りますですよ~!」と駆け寄ってきた。赤ちゃんモンスターたちがようこの周りをくるくる回り、甘えた声を上げた。静かな陽だまりの中で、箱庭は今日も穏やかに、

少しずつその境界を広げながら、誰にも侵させない至高の庭であり続けていた。


第5話


 無口な守護者の怒り箱庭の新しく拡張された温泉エリア。

土魔法で丁寧に作られた大きな岩風呂から、優しい湯気がふんわりと立ち上っていた。ようこはオレンジのロングパーカーを脱いで湯に浸かっていた。

キツネ耳が気持ちよさそうにピクピク動き、ロングパーカーを近くの岩に置いたので、隠れていた1本のオレンジの尻尾が水面にふわふわと浮かんでいた。


「はぁ~……シルヴィアの土魔法、最高……♡

 みんなも入ったら? 今日の拡張、頑張ったもんね~」


少し離れた岩の上で、黒髪ストレートの住処の魔女・シルヴィアが無言で湯の温度を調整していた。

土魔法で作った完璧な排水溝と温度制御が、温泉を常に最適な状態に保っている。そこへ、エプロンドレス姿の狐顔の男の子・キツネさんが、トレイに冷たい果実ジュースを乗せてやってきた。「ようこ様~、お疲れ様ですよ~♡

 キツネさんが特製の冷たいジュースを作りましたよ。どうぞ~」


キツネさんは明るく笑いながらジュースを差し出し、5本の尻尾を嬉しそうに揺らした。


「ありがとう、キツネさん。えらいえらい♡」ようこが頭をナデナデすると、キツネさんは狐顔を赤くして「えへへ~」と目を細めた。一方、境界線近くでは、オオカミ耳のラウンズと白狼ガルムが静かに警備を続けていた。「……静かだな」

「了解」その時、箱庭の外から大きな物音が響いた。

世界有数の冒険者パーティー(戦力200前後の精鋭たち)が、結界の弱い部分を狙って侵入を試みていた。


「ここが例のモンスターの国か……一気に片付けるぞ!」ようこのキツネ耳がピンと立ち、湯の中で体を起こした。

1本の尻尾が水を弾いてぴしゃりと音を立てる。


「……え? また? もう、ほんとにしつこいわね!」シルヴィアの黒髪がわずかに揺れ、無表情の顔が一瞬で冷たく変わった。

彼女はゆっくりと立ち上がり、低い声で呟いた。


「……触らないで」次の瞬間、土魔法が爆発的に発動した。

地面が大きく隆起し、岩の牢獄が冒険者たちの足元からせり上がる。

侵入者たちは一瞬で動きを封じられ、慌てて武器を構えた。「な、なんだこの壁!?」そこへラウンズとガルムが高速で駆けつけた。


「主様の庭……排除します」


ラウンズの爪が閃き、ガルムの氷の息吹が吹き荒れる。

歩兵型人造ドラゴン数体もエレノアの指示で地上に降り立ち、体術と火炎ブレスで援護した。キツネさんがようこの後ろでエプロンを握りしめながらも、軽い炎魔法で周囲を照らして警備をサポートした。


「ようこ様は心配しないでくださいですよ~。

 キツネさんがちゃんと見張ってますから!」


冒険者パーティーは、シルヴィアの怒った土魔法とラウンズ&ガルムの連携、ドラゴンたちの火炎に圧倒され、

「こ、これは……撤退だ!」と悲鳴を上げて逃げ出した。静けさが戻った温泉エリアで、シルヴィアは無言で地面を整え、結界をさらに強化した。

箱庭の地下エリアが新たに拡張され、頑丈な岩の通路が加わった。ようこは湯から上がり、みんなのところへ駆け寄った。

オレンジ髪を軽く振り、1本の尻尾をロングパーカーの下に隠しながら。


「シルヴィア、怖かったけど……かっこよかったよ♡

 ラウンズとガルムも、キツネさんも、えらいえらい!

 みんなのおかげで、また守れたね~」彼女はシルヴィアの黒髪をそっと撫で、ラウンズのオオカミ耳をくしゃくしゃにし、ガルムの頭をナデナデ、キツネさんの狐顔を両手で包み込んだ。マリアンヌが「ようこ様~♡」と母性全開で抱きつき、リリアが蔓でみんなを優しく包み、エレノアが扇子を広げて「当然ですわ」と笑う。キツネさんが明るく声を上げた。


「みんなでお風呂の後、キツネさんがご飯作りますよ~!

 今日は果樹エリアの新鮮フルーツたっぷりですよ!」


ようこはにこっと笑って、みんなを見回した。


「うん! 今日もこの箱庭、みんなで守れてよかった。

 少しずつ広げて……誰にも渡さない、私たちの国だもんね♡」


陽だまりの中で、温泉の湯気が優しく立ち上る中、

モンスターの国は今日も穏やかに、守りを固めながら境界を広げていった。



第6話 


みんなでピクニック箱庭の新しく拡張された花畑エリア。

色とりどりの花が咲き乱れ、甘い香りが風に乗って広がっていた。ようこはオレンジのロングパーカーを羽織り、黒のミニスカートを軽く揺らしながら、大きなシートの上に座っていた。

キツネ耳がピクピクと楽しげに動き、ロングパーカーの下に隠れた1本のオレンジの尻尾が、気持ちよさそうにふんわり揺れていた。


「わあ~、今日は最高のお天気!

 みんなでピクニックだよ~♡ キツネさん、準備できた?」狐顔の男の子・キツネさんが、エプロンドレス姿で元気よく駆け寄ってきた。

オレンジの短い髪が跳ね、5本の尻尾が嬉しそうに揺れる。


「はい、ようこ様~! キツネさんが特製のお弁当を作りましたですよ~♡

 果樹エリアのフルーツサンドに、モンスターのみんなが大好きな焼き魚、

 それに新鮮な野菜たっぷりのサラダですよ~!」


キツネさんは大きなバスケットを広げ、笑顔でみんなに配り始めた。

家事担当として、今日のピクニックの食事は完璧に仕上げてくれていた。マリアンヌがふわふわのピンク髪を揺らして、赤ちゃんモンスターたちを抱きながら座った。


「あらあら~、キツネさん、ありがとうね~。

 ママの治癒魔法でみんなお腹すかせてるのよ。

 ほらほら、いい子いい子、たくさん食べて大きくなって♪」


リリアはオレンジロングヘアーを優しく風になびかせ、蔓の魔法で花を摘んで飾りながら穏やかに微笑んだ。「……みんな、楽しそう。

 この花畑、きれいだね。ようこ様が喜んでくれて嬉しいよ」


シルヴィアは少し離れたところで無言で土魔法をかけ、花畑の土を整えていた。

エレノアは扇子を優雅に広げ、金髪の巻き髪をなびかせて上品に座っている。そこへ、オオカミ耳のラウンズと白狼ガルムが境界警備から戻ってきた。


「……主様、ピクニック中ですが、警備は続けます」

ガルムが低く唸りながら、ラウンズの横に座る。ようこはにこっと笑って、キツネさんの狐顔を両手で包み込んだ。「キツネさん、えらいえらい♡

 お弁当も素敵! ラウンズとガルムも、いつも守ってくれてありがとうね~」


キツネさんは狐顔を赤くして「えへへ~、ようこ様に褒められると嬉しいですよ~」と尻尾を振った。みんなで笑い合いながらお弁当を食べ始めると、遠くの森の境界から物音がした。

中級冒険者パーティーが、花の香りに誘われて近づいてきていた。ようこのキツネ耳がピンと立ち、ロングパーカーの下で1本の尻尾がぴしっと伸びる。


「……また来たの? もう、ピクニックの邪魔しないでよ!」エレノアが扇子をパチンと閉じた。「ふふっ、下賤な者どもが……。

 私の歩兵型騎士たち、軽くお見舞いして差し上げなさい」歩兵型人造ドラゴン数体が地上に降り立ち、体術と火炎ブレスで威嚇。

ラウンズとガルムも即座に動き、爪と氷の息吹で援護。

キツネさんが軽い炎魔法で花畑を守るように周囲を照らした。冒険者たちは圧倒的な力の前に「ひぃっ!」と悲鳴を上げて逃げ出した。


ピクニックの邪魔が去ると、シルヴィアが無言で土魔法を発動。

花畑の向こうに新しい開けた芝生エリアが広がり、箱庭がまた少し拡張された。ようこは満足そうに立ち上がり、みんなの頭を順番にナデナデした。

ロングパーカーの裾が軽く揺れ、隠れていた1本の尻尾が嬉しそうにふわふわ動いた。「みんな、今日もえらいえらい♡

 キツネさんのお弁当最高! マリアンヌのママスマイルも、ラウンズたちの守りも、

 リリアの蔓で綺麗に飾って、シルヴィアの土魔法で広げて……

 エレノアのドラゴンたちもかっこよかったよ~!」キツネさんが狐顔を輝かせて


「ようこ様~、もっと作りますですよ~!」と飛びついてきた。

マリアンヌが「ようこ様~♡」と抱きつき、ラウンズが小さく頷き、ガルムが尻尾を軽く振る。静かな花畑の中で、ようこはにこっと笑って宣言した。


「この箱庭、みんなで少しずつ広げて、

 誰にも侵させない……私たちの、幸せな家だもんね♡」陽だまりに包まれたピクニックは、今日も穏やかに、そして賑やかに続いた。


第7話 


真面目スカウトの大きな発見箱庭の午後遅く、柔らかな木漏れ日が森の地面に斑を描いていた。ようこはオレンジのロングパーカーのフードを軽く被り、黒のミニスカートを翻しながら森の小道を歩いていた。

茶色いミリタリーブーツが落ち葉を軽く踏み、ロングパーカーの下に隠れた1本のオレンジの尻尾が、期待で小さく動き始めていた。



キツネ耳がピクピクと周囲の音を拾う。「リリア~♡ 今日はどんな子を見つけてくれたの?」オレンジ色のロングヘアーを優しく揺らしたスカウトの魔女・リリアが、静かに木陰から現れた。

彼女の両手には、柔らかな蔓が優しく絡みつき、珍しい光るきのこ型のモンスターをそっと包み込んでいた。


「……ようこ様。この子、森の奥深くで冒険者に追い詰められていました。

 光る胞子を撒いて逃げようとしていたけど、傷だらけで……

 もう大丈夫だよ。ここは安全な場所だから」


リリアの声はいつも通り真面目で優しい。

蔓の魔法が絶対拘束の強さを持ちながらも、傷ついた光るきのこモンスターを痛めつけることなく、まるで温かな毛布のように包み込んでいた。光るきのこモンスターは小さく、体全体が淡い青白い光を放っていた。

ようこは目を輝かせてすぐに駆け寄り、両手を広げた。「わあ……キラキラしてる! かわいいじゃない!

 この光、夜の庭を照らしてくれそう♡」彼女は迷わず光るきのこを抱き上げ、頰をすりすりした。

ロングパーカーの裾が少しめくれ、隠れていた1本のふわふわしたオレンジの尻尾が嬉しそうにふんわり揺れた。そこへ、ふわふわのピンク髪を揺らしたマリアンヌが駆けつけてきた。「あらあら~、この子、ずいぶん頑張ったのね。


 痛かったよね~。ママの治癒魔法で、すっかり元気にしちゃうから♪」マリアンヌは母性本能全開の笑顔で手を重ねる。

柔らかな桃色の光が光るきのこモンスターの傷を包み、失われた生命力を優しく補っていく。

傷が塞がるにつれ、きのこの光が少し強くなった。


「いい子いい子~。ようこ様と一緒に、夜の庭をキラキラ照らしてあげてね」少し離れたところで、黒髪のシルヴィアが無言で土魔法を操り、新しい夜間用の小さな洞窟住処を作り始めていた。そこへ、狐顔のキツネさんがバスケットを抱えて元気よく現れた。


「ようこ様~! キツネさんが新入りさん用の柔らかいお食事を作りましたですよ~♡

 光る胞子に合う、優しい甘さの果実ゼリーですよ~!」キツネさんは5本の尻尾を嬉しそうに振りながら、バスケットを広げた。軍の魔女・エレノアは高台から扇子を優雅に広げ、見守っていた。「ふふっ、希少な子ですわね。


 私の闇魔法で、夜の守りを強化しておきますわ」ようこは光るきのこを抱いたまま、みんなを順番に見回した。


「リリア、真面目に探してくれてありがとう♡

 マリアンヌの治癒で元気になったね~。

 シルヴィアの土魔法で素敵なお家まで……キツネさんのおやつも最高!

 みんな、えらいえらい!」


彼女はリリアのオレンジロングを優しく梳き、マリアンヌの頭をナデナデし、シルヴィアの黒髪をそっと撫で、キツネさんの狐顔を両手で包み込んだ。

ロングパーカーの下で、1本の尻尾が嬉しそうにくるくる回っていた。すると、森の境界線でざわめきが聞こえてきた。


光る胞子に釣られた強めの冒険者ギルドが、数人規模で近づいてきていた。ようこのキツネ耳がピンと立ち、パーカーの下で尻尾がぴしっと伸びる。「……また? もう、うるさいわね!

 リリア、エレノア、軽くお願い!」リリアが静かに頷き、蔓の魔法を広げて冒険者たちの足を優しく絡め取った。


エレノアの闇魔法が加わり、黒い霧の中で光るきのこモンスターの光が幻想的に反射し、冒険者たちを完全に惑わせた。「うわっ……方向がわからない!」「撤退だ!」冒険者たちは慌てて逃げ出した。その間に、シルヴィアが土魔法で夜間エリアを拡張。


光るきのこモンスターの淡い光が、新しい森の夜道を優しく照らし始めた。静かになった庭で、ようこは光るきのこを抱いたまま、にこっと笑った。「今日も守れたわね。

 新しい家族の光で、箱庭の夜がもっと綺麗になる……

 みんなで、少しずつこの国を広げていこう?

 誰にも侵させない、私たちの家……♡」光るきのこが、ようこの指の上で優しく光を瞬かせた。


マリアンヌが「かわいい~♡」、リリアが優しく頷き、シルヴィアが無言で土を整え、エレノアが上品に笑い、キツネさんが「夜のおやつも作りますですよ~!」と尻尾を振る。こうして、モンスターの国は今日も穏やかに、

新しい光を迎え、守りを固め、少しずつその境界を広げていった。


第8話 


高飛車令嬢の秘密の努力箱庭の夜が深まった頃。ようこはオレンジのロングパーカーを羽織ったまま、静かに高台を歩いていた。

キツネ耳がピクピクと音を拾い、ロングパーカーの下に隠れた1本のオレンジの尻尾が、好奇心で小さく揺れていた。


茶色いミリタリーブーツが柔らかな土を踏む音だけが、静かな夜に響く。「エレノア……まだ起きてるの?」高台の奥、ドラゴンの格納庫近くの小さな作業場に、金髪の巻き髪を優雅にまとめた軍の魔女・エレノア・ヴァルハラがいた。


彼女はいつも高飛車な笑みを浮かべているはずなのに、今は扇子を置いて、真剣な顔で人造ドラゴンの関節部を丁寧にメンテナンスしていた。「ふふっ……下賤な者どもなど相手にしませんわ。

 けれど、私の可愛い子たちが完璧でなければ、ようこ様の箱庭を守れませんもの……」エレノアは闇魔法で微かな黒い光を灯し、戦略級ドラゴンの装甲を磨き、歩兵型ドラゴンの火炎ブレス機構を調整していた。


夜中にこっそり行う、誰にも見せない努力だった。ようこはそっと近づき、エレノアの後ろから優しく抱きついた。


「エレノア……かわいいところあるのね♡」


「ひゃっ!? よ、ようこ様!?」エレノアが珍しく声を上げ、扇子を慌てて拾おうとする。

ようこは笑いながら彼女の金髪をナデナデし、頰をすりすりした。


ロングパーカーの裾が揺れ、隠れていた1本の尻尾が嬉しそうにふんわりと動いた。「ふふっ、いつも『下賤な者ども』って言ってるのに、夜中にこんなに頑張ってるなんて……

 エレノア、えらいえらい! 大好きだよ~♡」エレノアの頰が真っ赤になり、扇子で口元を隠しながらも、目が少し潤んでいた。「……光栄ですわ。ようこ様のためなら……当然のことですもの」その時、森の境界線から複数の足音が聞こえてきた。


大型の騎士団が、夜陰に紛れて侵入を試みていた。ようこのキツネ耳がピンと立ち、パーカーの下で尻尾がぴしっと伸びる。「……また? もう、夜中にうるさいわね!

 エレノア、今日はあなたのドラゴンたちで派手にいっちゃおう!」エレノアはすぐに気を取り直し、優雅に扇子を広げた。「ふふっ、仰せのままに。

 私の可愛い子たち……優雅に、恐ろしく、闇と炎で拒絶しなさい」戦略級人造ドラゴンが三体、空に舞い上がった。


闇魔法と戦略炎熱魔法が融合し、黒い炎の奔流が夜空を焦がす。

核兵器並みの熱が騎士団の足元を焼き払い、歩兵型ドラゴンたちが地上で体術と精密火炎ブレスで逃げ道を塞いだ。「うわあああっ!」「これは……人間の力じゃない!」「撤退、撤退!」騎士団は悲鳴を上げて一目散に逃げ出した。訓練と撃退の余波で、軍事訓練場エリアがさらに広がった。


シルヴィアが無言で土魔法をかけ、自然な岩場と訓練用の広場を整えていく。ようこはエレノアの手を握り、にこっと笑った。「エレノア、今日もかっこよかったよ~♡

 秘密の努力、ちゃんと見てたからね。

 みんなでこの箱庭を守って、少しずつ広げていこう?

 誰にも侵させない、私たちの国……」エレノアは扇子で顔を隠しながらも、嬉しそうに頷いた。「はい……ようこ様。


 私の軍は、いつでもこの箱庭のために」マリアンヌが「ようこ様~♡」と抱きつき、リリアが優しく微笑み、キツネさんが「お夜食作りますですよ~!」と狐顔を輝かせる。

シルヴィアが静かに頷き、ラウンズとガルムが遠くから見守っていた。夜の箱庭に、戦略級ドラゴンの残光が優しく瞬いていた。こうして、モンスターの国は今日も穏やかに、

守りを固め、少しずつその境界を広げていった。


第9話 


母性爆発の育生祭箱庭の中央広場は、今日特別に賑やかだった。

新しく拡張された湖のほとりに、色とりどりの花と果実で飾られた祭りの会場が広がっている。ようこはオレンジのロングパーカーの袖をまくり、黒のミニスカートを軽く揺らしながら、みんなの中心に立っていた。


キツネ耳がピクピク動き、ロングパーカーの下に隠れた1本のオレンジの尻尾が、楽しさでふんわりと揺れていた。「みんな~♡ 今日は育生祭だよ!

 マリアンヌ、準備できた?」ふわふわのピンク髪を揺らした育生の魔女・マリアンヌが、母性本能全開の笑顔で駆け回っていた。


彼女の腕の中には、たくさんのモンスターの赤ちゃんたちがぎゅーっと抱かれている。「あらあら~、ようこ様! 今日はみんなの成長をお祝いする日よ♪

 ママの治癒魔法で、みんなすくすく大きくなったの!


 ほらほら、いい子いい子~、ようこ様に褒めてもらおうね♡」マリアンヌは赤ちゃんモンスターたちを次々とようこに差し出し、治癒魔法の柔らかな光を降り注がせながら、みんなを抱きしめまくっていた。ようこは目を細めて赤ちゃんたちを次々に抱き上げ、頰をすりすりした。「わあ、みんな大きくなったね~♡


 翼がふわふわ、光るきのこもキラキラ、翼竜も元気いっぱい!

 強くなるのは、誰かを支配するためじゃないの。

 ただ、明日もこの穏やかな陽だまりの中で、大切な者たちと眠るため……それだけだよ」リリアがオレンジロングヘアーを優しく揺らして、蔓の魔法で花の冠を作りながら微笑んだ。「……ようこ様。この子たち、みんな幸せそう。


 スカウトしてよかったね」狐顔のキツネさんが、エプロンドレス姿で大きなテーブルを準備しながら明るく声を上げた。「ようこ様~! キツネさんが育生祭のお料理をいっぱい作りましたですよ~♡

 果実たっぷりのケーキに、優しい甘さのゼリー、みんなが大好きな焼き魚も!」シルヴィアは無言で土魔法を使い、湖のほとりに快適な岩の座席を増やしていた。


エレノアは扇子を優雅に広げ、歩兵型ドラゴンたちに軽い警備を指示しながら上品に座っている。

ラウンズとガルムも少し離れたところで、静かに見守っていた。ようこはマリアンヌと一緒に赤ちゃんモンスターたちを抱きしめまくり、頭をナデナデしまくった。

ロングパーカーの裾が揺れ、隠れていた1本の尻尾が嬉しそうにくるくる回っていた。「マリアンヌ、母性全開でかわいい~♡


 みんな、えらいえらい! 大好きだよ~!」その時、湖の向こうの森の境界から大きな物音が響いた。

大規模なハンター連合が、祭りの賑わいに釣られて大人数で接近してきていた。ようこのキツネ耳がピンと立ち、パーカーの下で尻尾がぴしっと伸びる。


「……また? もう、育生祭の邪魔しないでよ!」マリアンヌが珍しく少し眉を寄せ、母性本能を爆発させた。


「あらあら……この子たちの成長を邪魔するなんて、許せないわね~」エレノアが扇子をパチンと閉じた。


「ふふっ、下賤な者どもが……。

 私の騎士たち、優雅に拒絶しなさい」


歩兵型ドラゴンたちが体術と火炎ブレスで前線を固め、ラウンズとガルムが高速で飛び出し、爪と氷の息吹で援護。


リリアの蔓が優しく足を絡め取り、キツネさんが軽い炎魔法で道を照らしながら警備をサポート。

シルヴィアが土魔法で湖のほとりに自然な岩の壁を作り、侵入を阻んだ。マリアンヌの治癒魔法で強化されたモンスターの赤ちゃんたちまでもが、迷路のように動き回ってハンターたちを翻弄した。


「うわああっ!」「なんだこの数……!」「撤退だ!」大規模ハンター連合は圧倒され、悲鳴を上げて逃げ出した。撃退の余波で、湖エリアがさらに広がり、新しい水辺の遊び場が自然に拡張された。静かになった祭りの会場で、ようこはみんなを集めてにこっと笑った。

ロングパーカーの下で、1本の尻尾が満足そうにふわふわ動いていた。「今日も守れたわね~♡

 

マリアンヌの育生祭、最高だったよ!

 みんなの頑張りで、また箱庭が少し広くなった……

 えらいえらい、大好きだよ~!」マリアンヌが「ようこ様~♡」と全力で抱きつき、リリアが優しく微笑み、シルヴィアが小さく頷き、エレノアが「当然ですわ」と胸を張る。


キツネさんが「もっとケーキありますですよ~!」と狐顔を輝かせ、ラウンズとガルムが静かに尻尾を振った。陽だまりと湖の水面に、光るきのこモンスターの淡い光が優しく混ざり合っていた。こうして、モンスターの国は今日も穏やかに、

守りを固め、少しずつその境界を広げていった。


第10話 


静かなる怒りの住処箱庭の奥深く、新しく完成した図書館兼休憩所。

シルヴィアの土魔法で丁寧に作られた石造りの建物は、柔らかな日差しが差し込み、本棚と大きなクッションが並ぶ居心地の良い空間になっていた。ようこはオレンジのロングパーカーを羽織ったまま、黒のタートルネック姿で大きなクッションに座っていた。


キツネ耳をピクピクさせながら本を読み、ロングパーカーの下に隠れた1本のオレンジの尻尾が、ゆったりとリラックスした動きを見せていた。「ふふっ……ここ、最高に落ち着くわ♡

 シルヴィア、ありがとうね。完璧すぎるよ~」黒髪ストレートの住処の魔女・シルヴィアは、少し離れたところで無言で本棚の埃を払っていた。


普段はほとんど言葉を発さない彼女が、今日は珍しく静かな声で呟いた。「……ようこ様のためなら」ようこは本を閉じて立ち上がり、シルヴィアの黒髪をそっと撫でた。「シルヴィア、かわいいところあるのね。

 いつも無口なのに、こんな素敵な場所を作ってくれて……えらいえらい♡」シルヴィアの頰がわずかに赤らみ、無表情のまま小さく頷いた。そこへ、狐顔のキツネさんがお茶のトレイを持って入ってきた。「ようこ様~! キツネさんが特製のお茶とクッキーを作りましたですよ~♡


 図書館にぴったりな、優しい甘さですよ~!」マリアンヌが赤ちゃんモンスターを何匹か連れてふわふわと現れ、リリアが蔓で本の整理を手伝い、エレノアが扇子を優雅に広げて上品に座っていた。

ラウンズとガルムも入口近くで静かに警備を続けている。ようこはみんなに囲まれながら、幸せそうにクッキーを頰張った。


ロングパーカーの裾が軽く揺れ、1本の尻尾が満足げにふんわり動いていた。「みんなと一緒にいると、本当に穏やか……

 この箱庭が、私の、私による、私のための国でよかったわ」その瞬間――箱庭の外から、強烈な魔力の波動が押し寄せた。

世界有数の超強力冒険者パーティー(勇者級の戦力を持つ精鋭たち)が、本気で結界を破ろうと大規模な魔法攻撃を仕掛けてきた。「ここが例の『モンスターの国』か……一気に落とす!」ようこのキツネ耳がピンと立ち、パーカーの下で尻尾がぴしっと伸びる。「……え? 今度は本気で来てるの? もう、図書館の時間なのに!」シルヴィアの黒髪が静かに揺れた。

彼女の無表情が一瞬で凍てつき、低く冷たい声が響いた。「……触らないで」次の瞬間、土魔法が爆発的に発動した。


大地が大きく隆起し、巨大な岩の牢獄が冒険者たちを包み込む。

地面から無数の岩の棘がせり上がり、逃げ道を完全に封鎖。

シルヴィアの怒りが頂点に達すると、周囲の空気が凍りつくような重圧が広がった。ラウンズとガルムが即座に飛び出し、爪と氷の息吹で援護。


歩兵型ドラゴンたちが体術と火炎ブレスで前線を固め、エレノアの闇魔法が黒い霧で視界を奪う。

リリアの蔓が絶対拘束で足を絡め取り、マリアンヌが治癒魔法で味方を強化。

キツネさんも軽い炎魔法で周囲を照らしながら警備を支えた。超強力冒険者パーティーは、シルヴィアの本気の土魔法と全員の連携に圧倒され、

「こ、これは……不可能だ……!」と悲鳴を上げて撤退を余儀なくされた。静けさが戻った図書館で、シルヴィアは無言で地面を整え、箱庭全体の結界をさらに強化した。


同時に、山の麓エリアが新たに拡張され、岩肌の美しい景観が加わった。ようこはシルヴィアに駆け寄り、黒髪を優しく抱きしめた。「シルヴィア、怖かったけど……本当にありがとう♡

 みんなも、えらいえらい!

 おかげで、また守れたね~」シルヴィアは無言のまま、わずかに目を細めて頷いた。

その瞳には、ようこ様のためなら、という静かな決意が宿っていた。ようこはみんなを見回して、にこっと笑った。


ロングパーカーの下で、1本の尻尾が温かく揺れていた。「今日もこの箱庭、みんなで守れてよかった。

 少しずつ広げて……誰にも渡さない、私たちの国だもんね♡」図書館の窓から差し込む柔らかな光が、みんなを優しく包み込んでいた。こうして、モンスターの国は今日も穏やかに、

守りを固め、少しずつその境界を広げていった。


第11話 


至高の箱庭、今日も穏やか箱庭の空は、今日も穏やかに晴れ渡っていた。新しく拡張された山の麓エリアでは、緑の木々と岩肌が美しく調和し、湖の水面がキラキラと輝いている。

4人の魔女とキツネさん、ラウンズ&ガルム、そしてたくさんのモンスターたちが、広くなった庭に集まっていた。ようこはオレンジのロングパーカーのフードを軽く被り、黒のミニスカートを軽く揺らしてみんなの前に立っていた。


キツネ耳がピクピク動き、ロングパーカーの下に隠れた1本のオレンジの尻尾が、優しい風にふんわりと揺れていた。「みんな~♡ 今日は大拡張の日だね!

 新しい山エリア、みんなで力を合わせて完成させよう!」軍の魔女・エレノアが扇子を優雅に広げ、金髪の巻き髪をなびかせた。


「ふふっ、仰せのままに。

 私の戦略級と歩兵型の可愛い子たちで、境界を優雅に焼き固めますわ」スカウトの魔女・リリアはオレンジロングヘアーを風になびかせ、静かに微笑んだ。


「……みんなで協力すれば、きっと素敵なエリアになるよ」育生の魔女・マリアンヌはふわふわのピンク髪を揺らして、母性全開の笑顔で赤ちゃんモンスターたちを抱きしめた。「あらあら~、ママもみんなも頑張るわよ♪


 治癒魔法で、疲れた子はすぐに元気にしちゃうからね~」住処の魔女・シルヴィアは無言で地面に手を置き、土魔法を静かに発動させた。

大地がゆっくり隆起し、新しい山の稜線と自然な岩場が形作られていく。狐顔のキツネさんがエプロンドレス姿で元気に走り回った。「ようこ様~! キツネさんがみんなの分のお弁当と飲み物を作りましたですよ~♡


 拡張作業の後、みんなで食べましょうね~!」ラウンズとガルムも静かに動き、境界警備をしながら拡張を手伝っていた。ようこはみんなの頭を順番にナデナデし、にこっと笑った。「エレノアのドラゴンたちも、リリアの蔓も、マリアンヌの治癒も、シルヴィアの土魔法も、

 キツネさんのお世話も、ラウンズとガルムの守りも……

 みんな、えらいえらい♡ 大好きだよ~!」戦略級人造ドラゴンが空を舞い、核兵器並みの戦略炎熱魔法で境界を精密に焼き固める。


歩兵型ドラゴンたちが体術と火炎ブレスで岩を整え、リリアの蔓が新しい木々を優しく支える。

マリアンヌの治癒魔法がみんなの疲れを癒し、シルヴィアの土魔法が山の形を完璧に整えていく。作業の最中、小さな冒険者パーティーが遠くから近づいてきたが、

ようこはキツネ耳をピクピクさせて可愛く眉を寄せた。


「……また? もう、今日は拡張の日なのにうるさいわね!」エレノアが軽く扇子を振るだけで、歩兵型ドラゴンたちが火炎ブレスで威嚇。

冒険者たちは慌てて逃げ出し、みんなで笑い合った。やがて、新しい山エリアが完成した。

箱庭はこれまでで最も広くなり、湖と森と山が美しい調和を見せていた。ようこはみんなを集め、9本ではなく1本の尻尾をロングパーカーの下から少しだけ覗かせながら、優しく宣言した。「ここは私たちの国よ。


 誰にも侵させない、誰にも渡さない……

 私と、みんなのための、至高の箱庭♡」マリアンヌが「ようこ様~♡」と全力で抱きつき、リリアが優しく微笑み、シルヴィアが静かに頷き、エレノアが「当然ですわ」と上品に笑う。

キツネさんが「お祝いのおやつありますですよ~!」と狐顔を輝かせ、ラウンズとガルムが静かに尻尾を振った。


光るきのこモンスターが淡い光を灯し、翼竜が空を優しく旋回する。

赤ちゃんモンスターたちがようこの周りをくるくる回り、甘えた声を上げた。ようこはみんなを抱きしめながら、陽だまりの中で目を細めた。「強くなるのは、誰かを支配するためじゃない。

 

ただ、明日もこの穏やかな陽だまりの中で、大切な者たちと眠るため……

 それが、私たちのたった一つの、絶対のルールだもんね」静かな風が箱庭を優しく撫で、

モンスターの国は今日も、誰にも侵せない至高の箱庭として、

穏やかに、幸せに息づいていた。




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