6.6 静史とランザード 分断法と融合法 真実
静史がランザードへ話しかける。
「なぜ、お前が精神融合法を」
「そうですね、消える前に話しておきましょうか。
元々、分断法も融合法も私の理論でした。
今日この日までに使えるようにしたかったのですが、つまずいてしまって完成のめどは立たない。
優秀な若者達に代わりに研究、実験をしてもらうことにしました。
他人の精神空間に入る能力を使って、彼らの夢界に入り、ひらめきというかたちでこの理論を与えた。
最終的には分断法は自らでほとんど完成してくれましたよ。
そして今度は融合法。
分断を最もうまく行った藤崎。
しかし彼女のも失敗だった。
どうなったかは貴方の方が良く知っている。
ただし良いデータをたくさんいただきました。
そして終わった。
この計画それ自体は成功でしたが、総帥時空をつくってしまったのは誤算でした。
そして私は完成させ、完全に近づいた。
ほとんどが予定通りでしたよ」
「なるほど。
全てお前がやっていたわけか。
俺も本気でお前を殺さないといけないかな」
声は低く、怒りを感じた。
「敵討ちのつもりか?」
「・・・」
「貴方の気持ちなどはどうでもいい。
さて、始めましょか」
「霧河、下がっていろ」
静史はランザートを見据えたまま、少し後ろに控えていた神職の識者に指示をした。
「はい、方条飛鳥の所へ向かいます」
「頼む。
あと、今のランザードの話を図書館長の皇極か、時空か、新山隼の母親、早織に話してくれ」
「・・・わかりました」
霧河は走り去った。
「ご自分でお話しすればいいのに。
無事ではすまないとお考えかな?」
「お互いな。
さて、始めようか」
静史は不適な笑みを浮かべた。