5.20 神戸神威、大神辰郎、方条飛龍 日月魔法 命の価値
薄暗いアンティーク調の部屋に神戸と大神がいた。
飛龍が入ってきた。
「どうだった?」
大神が飛龍に話しかけた。
「だめでした。
すみません」
「謝ることはないって。
謝らなきゃいけないのは神威だね」
今度は神戸が口を開く。
「そうだな。
すまなかった」
「いえ、当然です」
「月子はどうなった」
「死んだと思います」
「思います?」
飛龍は戦闘の内容を話した。
大神が疑問を持つ。
「ふーん。
何で日月の合成魔法使わなかったんだよ。
単体ほどの干渉はないものの、日月の絶頂時間にわざわざ行ったんでしょ?」
方条家相伝の日魔法、月魔法は太陽と月の位置の影響を強く受ける。
「力を試してみたくなりまして、あれは奥の手でとっておこうと思いました。
あれほどの実力者と本気で戦うことは今まで有りませんでしたから」
「気持ちはわかる。
自分を追いつめたくなる気持ち。
ぎりぎりのスリル」
「俺にはさっぱりわからないね。
それで死んだら間抜けどころか大馬鹿だよ。
楽して勝てばいいじゃん」
あきれたように大神が言った。
「お前には解らないだろうな。
だが一理ある。
これからはそういう戦いも多くなるだろうから注意してくれ」
「わかりました」
「早く休んだ方がいいよ」
大神は心配そうに言った。
「ありがとうございます。
明日にはだいたい回復するので心配しないでください」
「明日はいいよ。
ねっ、神威」
「ああ、明日は大神とあと何人かつれて挨拶をするだけだ」
「そうですか。
ありがとうございます。
では明日まで休ませてもらいます」
「おやすみー」
飛龍は礼をして出て行った。
神戸が尋ねる。
「どう思う?」
「飛龍のこと?
心配ないって。
それを確かめる意味もあったんでしょ」
「そうなんだが。
お前は人の命をどう思う?」
「何が言いたいかわからないけど」
「命を重要と考えない人間もいると言うことだ」
「だから月子を平気で殺せたということ?
飛龍はそういうの重視するタイプでしょう」
「日月の合成を使わなかったのも・・・」
「その気持ちわかるって言ったくせに。
心配ないって。
たとえ何かをたくらんでいるのだとしても、誰かがそのとき殺せばいいだけのことじゃん」
「そうだな。
ところで神谷と神堂は?」
「教頭先生は明日の処理をしているか、酒でも飲んで寝ているんじゃない。
神谷はどうせ葉山と碓氷と三人でいちゃついているんでしょ」




