5.10 時空と御月 識の力とリスク
識者連盟では時空が明日のために五人の識者を招集し会が行われた。
会は終わり、識連の事実上ナンバー2、御月が総帥室をノックした。
時空はティーを飲んでいるようだった。
「何か用でも?」
黙っている御月に話しかけた。
「昔の貴方は質問しなかった」
「まあ、そうだったかもな」
「全ては、あの時から変わったのですね」
時空は無言だ。
「貴方がここに来たとき、大変なのが来たなと思いました」
「どうしたんだ突然」
「初めて会ったときから力を付けるのはわかりました」
「流石、見る目は確かと言うことか」
冗談めかして言った時空に笑顔で答える。
「だてに二百年生きていませんよ。
私も昔は方条といろいろやりましたから。
私の前はあの神法が総帥ですからね。
ずいぶん無理もしましたよ」
「私もここに来て、けっこう無理したかな」
「無理にはリスクが伴う。
しかし、しなければならないときもあります。
貴方がしたのは無理というより、取り返しのつかないとんでもないことをした。
そのとてつもないリスクを支払って時と空間の識と石の継承権を得た」
「識とは何だと思う?」
時空は静かに言った。
「簡単に言えば知識ですが、説明しにくい部分が多いので」
「世間では絶対的なものであるととらわれているが、そうではない。
歪みが生じてしまう。
だからあまり行使できない。
確かにそのことに関して絶対的な影響を与えることができるが、実際はできない。 識は強力すぎるが故にその力を完全に行使することはできない。
幻の力。
有って無いのと同じだ。
御月はどうして識を?」
「自然に身に付いていました。
だけど良かったと思います。
この使いにくい識ですが高くを目指すのには必要だと思いますから」
「私は識を絶対のものだと思っていた。
そして得た。
果たして神識とは何なのだろう」




