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4.11 まどろみ オルガンの識者

 カーテンを閉め忘れ、日が顔に当たり目を覚ます。

 まだ五時。

 湖へ行きたくなった。


 封地まで行くとオルガンの識者が居た。

 何も言わずにすれ違った。


 それからしばらく水面の動きを眺めていた。

 視界がぼやけ、まったく同じ動きをしているように見えた。

 水中のような、硬い壁に閉ざされた空間のように音が反響して聞こえる。


 家に着くと七時頃。

 いつも通りの準備をし、学校に着いて教室に入るがまだ誰とも会わない。

 散歩に出ることにした。

 丁度モノレールが頭上を通り過ぎていった。

 中央図書館の前まで行くと館長に呼び止められた。

 授業が終わったら来てくれと言っていた様に思った。

 声がだぶって聞こえて変な感じがした。

 二人が同時に同じ言葉を発しているよう。

 しかし完全に同時ではない。


 教室へ向かおうとすると、あのオルガンの識者がこっちへ向かって歩いてくる。

 まだ20メートルは離れているのに

「お前は会うたび変わっていくな」

 耳元でつぶやくように聞こえた。

 そして再びすれ違いざまに

「お前は会うたび変わっていくな」

 その言葉は何回か繰り返され、「識者の力か?」と思った。


 教室へ着くと水原がだぶった声で話しかける。

「隼。

 大丈夫か?」

 出席確認が終わり、佐藤に呼ばれた。

「教頭先生が放課後でいいから来てほしいそうです」

「わかりました」

 隼は上の空で答えたが、佐藤は気にしなかった。


 昼休みになり一人、中央図書館へ足を運ぶ。

 書架の前で再びオルガンの識者と会う。

 朝と同じように少し離れたところから歩み寄りながら

「よく会うな。

 もしかしたら私がお前に会いたいのかもしれない」

 そして目の前まで来たところで、同じ事を繰り返す。

 そしてだぶった声で

「私とお前は似た部分を感じる。

 言葉に出来ない。

 感だが。

 識者の感は当てになる気がしないか?

 私は貴流きりゅうお前は迅雷家と関係があるのだろ。

 また話したい」

 そう言うと貴流は去っていった。

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