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4.10 真実
電車に揺られ思考する。
「事実だというのはなぜか解った。
信じられないな。
そんなことが本当にあるなんて。
だけどそれが現実」
家に戻っても思考はつづいた。
「すごい話を聞いた。
想像を超えているせいか、驚きなどの感情はまったく感じない。
呆気にとられたような感じ。
まともに思考できない。
もしかしたら、ものすごく驚いているのかもしれない。
一つでは表せない、複雑な感情」
いつの間にか眠っていた。
最初に夢界に来たときのように時檻で浮いている。
龍雅が現れる。
「またこんな所に来ているのか。
お前の心理はわかっているが、話すことは話すぞ。
俺は迅雷龍雅だ。
あと、しっかり言っておきたいことは、俺がお前の中にいるということは冷焔や氷華もお前の中にあるということだ。
仕方ない、他の話はまた別の時だ。
いつでも話せるしな」
ここでずっと時を見ていたかった。
しかし朝は来る。